「オフロードバイクで林道を走ってみたい!」
そう思っても、
どのバイクが自分に合っているか分からない…
身長が低いけど、足はつくのかな?
維持費や中古車選びで失敗したくない…
こんな不安から、最初の一歩を踏み出せずにいませんか?
250ccオフロードバイクは初心者にも最適なクラスですが、自分の用途や体格に合わない一台を選んでしまうと、「足つきが悪くて乗るのが怖い」「林道で重くて扱えない」など、せっかくのバイクライフが後悔に終わることも少なくありません。
この記事では、メーカーの公式情報から実際のオーナーの口コミまで徹底的にリサーチし、客観的なデータに基づいて解説します。単なるランキングだけでなく、【身長別の足つき比較写真】や【プロが教える中古車の見極め方】など、購入前のあらゆる不安を解消するための情報が満載です。
この記事を最後まで読めば、あなたにぴったりの「最高の相棒」が見つかり、後悔のないオフロードバイクデビューを果たすことができるでしょう。
結論から言うと、オフロードバイク選びで最も重要なのは「自分の主な用途」と「体格に合った足つき」を明確にすることです。特に初心者の方なら、総合力の高い「ホンダ CRF250L」、圧倒的な扱いやすさの「ヤマハ セロー250(中古)」、軽量で足つきの良い「カワサキ KLX230 S」の3台から検討すれば、まず失敗することはありません。
250ccオフロードバイクが趣味として選ばれる理由

アスファルトの道が途切れたその先に広がる、まだ見ぬ景色。250ccオフロードバイクが多くの大人たちを魅了する理由は、日常を非日常へと変える「冒険への扉」そのものだからです。普段の生活では味わえない自然との一体感や、自分の力で道を切り拓いていく達成感は、何物にも代えがたい魅力を持っています。
中でも250ccという排気量は、日本のフィールドで楽しむ上でまさに「黄金比」と言えるでしょう。まず、経済的な負担が少ない点が挙げられます。このクラスは車検が不要なため、維持費を抑えながらバイクライフをスタートできます。
また、パワーがライダーの手に余ることなく、それでいて未舗装路を駆け抜けるには十分な力を秘めている絶妙なバランスも魅力です。初めてオフロードに挑戦する初心者にとっては安心して扱える相棒となり、経験豊富なライダーにとっては意のままに操る楽しさを再発見させてくれます。
さらに、国内外のメーカーから個性豊かなモデルが数多く登場してきた歴史があり、最新の高性能マシンから、中古市場で愛される往年の名車まで、予算やスタイルに合わせて自分だけの一台を見つけ出す楽しみも尽きません。この「維持のしやすさ」「扱いやすさ」「選択肢の多さ」という三拍子が揃っているからこそ、250ccオフロードバイクは、新しい趣味を探している人々にとって最高の選択肢として選ばれ続けているのです。
日常からの脱出と冒険心を満たす存在

仕事と家庭を往復する毎日。ふと、窓の外に広がる景色がいつも同じに見えることはありませんか。子供の頃に夢見た、地図にない道や森の奥深くへと続く冒険。そんなワクワクする気持ちを、心のどこかに置き忘れてしまったように感じているなら、250ccオフロードバイクは最高の相棒になってくれるかもしれません。
舗装された道路の終わりは、冒険の始まりを告げるゲートです。今まで「行けない場所」だと思っていた未舗装の林道や、見晴らしの良い丘の上まで、あなたを連れて行ってくれる魔法の絨毯。それがオフロードバイクという存在です。
中でも250ccクラスは、これから冒険を始める大人にとって、まさに「ちょうどいい」魅力に満ちています。まず、車検が不要なため維持費を抑えやすく、経済的な負担を気にせず趣味に没頭できる点が挙げられます。また、街乗りでは軽快に、しかしひとたびダートに入れば力強く地面を蹴る絶妙なパワーバランスは、初心者でも安心して「操る楽しさ」を実感させてくれるでしょう。
さらに、このクラスは国内外のメーカーが数多くのモデルを投入してきた激戦区でもあります。そのため、最新技術が詰まった新車から、個性豊かな絶版モデルまで、中古市場も含めれば非常に多くの選択肢の中から、自分のスタイルに合った一台を見つけ出す楽しみも格別です。日常を抜け出し、忘れかけていた冒険心に火をつける。そのための最初の一台として、250ccオフロードバイクはこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。
初心者に250ccクラスが最適な3つの理由

オフロードバイクの世界へようこそ。数ある排気量の中で、なぜ多くのベテランライダーが初心者に「まずは250ccから」と勧めるのでしょうか。それには、オフロードという特殊な環境を楽しむ上で非常に重要な、3つの明確な理由が存在します。
1. パワーと軽さの「黄金バランス」
オフロード走行では、アクセルを全開にする場面よりも、滑りやすい路面でバイクを繊細にコントロールする技術が求められます。250ccクラスのエンジンは、パワーがありすぎないため初心者でも扱いやすく、恐怖心を感じることなくアクセル操作の基本を学ぶのに最適です。
また、林道などでは予期せぬ転倒がつきものです。250ccのバイクは車体が比較的軽量でスリムに設計されているモデルが多く、万が一倒してしまっても自分で車体を引き起こしやすいという大きなメリットがあります。この「いざとなれば自分でなんとかできる」という安心感が、積極的にオフロードへ挑戦する心を後押ししてくれるのです。
2. 車検不要で経済的な「維持費」
バイクを所有する上で気になるのが維持費です。250ccクラス(正確には250cc以下)のバイクは、400cc以上のバイクと違って2年ごとの「車検」を受ける義務がありません。これだけで数万円単位の費用を抑えることができ、趣味として長く付き合っていく上で大きなアドバンテージとなります。
加えて、軽自動車税や任意保険料も大型バイクに比べて安価な傾向にあり、燃費性能に優れたモデルが多いのも特徴です。初期費用となる車体価格だけでなく、購入後のランニングコストを低く抑えられる経済性は、オフロードバイクという新しい趣味を気軽に始め、そして長く楽しむための強力な味方と言えるでしょう。
3. 多彩なモデルから選べる「選択肢の豊富さ」
250ccクラスは、国内外の多くのメーカーが最も力を入れている激戦区の一つです。そのため、ライダーの目的や好みに合わせて多種多様なモデルがラインナップされています。
例えば、街乗りやツーリングでの快適性を重視したモデル、林道や獣道での走破性を追求した本格的なトレールバイク、長距離移動を得意とするアドベンチャーモデルまで、実に個性豊かです。新車だけでなく中古車の流通量も非常に多く、予算やスタイルに合わせてじっくりとお気に入りの一台を探す楽しみがあります。この選択肢の広さこそが、あなたにとって最高の「相棒」を見つけられる可能性を大きく広げてくれるのです。
理由1|車検が不要で維持費が安い

250ccクラスのバイクが持つ大きな魅力の一つに、維持費の安さが挙げられます。 具体的には、251cc以上のバイクに義務付けられている「車検(自動車検査登録制度)」が不要である点が最大のポイントです。
車検の際には、自賠責保険料や重量税、印紙代といった法定費用に加え、整備費用や手数料など、数万円単位の出費が2年ごとに発生します。250ccのバイクなら、この定期的な大きな出費を心配する必要がありません。もちろん、安全に乗り続けるためには定期的なメンテナンスが不可欠ですが、費用とタイミングを自分のペースで管理しやすいのは大きなメリットと言えるでしょう。
加えて、毎年支払う軽自動車税も、400ccクラスなどのバイクに比べて安価に設定されています。 また、このクラスは燃費性能に優れたモデルが多く、タイヤやチェーンといった消耗品も比較的手頃な価格で入手できるため、日々のランニングコストも抑えることが可能です。
趣味として長くバイクライフを楽しむ上で、こうした経済的な負担の軽さは、心理的なハードルを下げ、気軽に一歩を踏み出すための強力な後押しとなります。
理由2|パワーと軽さの絶妙なバランス

250ccクラスが持つ最大の魅力は、オフロードを心ゆくまで楽しむために計算し尽くされたかのような、パワーと軽さの「黄金比」にあります。
林道の登り坂や少しぬかるんだ路面でも、頼もしいトルクでグイグイと前へ進んでくれる十分なパワー。しかしそれは、決してライダーを怖がらせるような過激なものではありません。初心者でもアクセルを開ける楽しさを存分に味わえる、絶妙な出力特性を備えています。この「扱いきれるパワー」こそが、オフロードライディングにおける安心感と上達の喜びに直結するのです。
一方で、オフロードでは「軽さ」が絶対的な武器になります。細い獣道での方向転換や、バランスを崩した時の踏ん張り、そして避けては通れない「転倒」からの復帰。もし車体が重すぎれば、倒れたバイクを一人で引き起こすだけで体力を消耗し、心が折れてしまうかもしれません。250ccクラスの軽量な車体は、こうした場面でも「何とかなる」という精神的な余裕を生み出し、ライダーがより積極的に未舗装路へ挑戦することを後押ししてくれます。
高速道路に乗って遠くの林道まで自走でき、ひとたびダートに入れば意のままに操れる軽快さを発揮する。この一台であらゆるステージをこなせる懐の深さこそ、多くのライダーが250ccオフロードバイクを選ぶ理由なのです。
理由3|新車・中古ともに選択肢が豊富

250ccオフロードバイクは、新車から中古車まで非常に多くの選択肢の中から、自分の予算やスタイルに合った一台を見つけやすいのが大きな魅力です。
現在、国内の主要メーカーからは、オフロード入門に最適な扱いやすいモデルから、本格的な林道ツーリングを楽しめるモデル、長距離移動も快適なアドベンチャーモデルまで、個性豊かなバイクが多数ラインナップされています。さらに海外メーカーも高性能なモデルを投入しており、選択肢は世界中に広がっています。
一方、中古市場に目を向ければ、その選択肢はさらに爆発的に広がります。惜しまれつつも生産を終了した「名車」と呼ばれるバイクたちが数多く流通しており、現行モデルにはない独特の魅力や性能を持つ一台に出会える可能性があります。状態の良い中古車は、予算を抑えつつオフロードバイクライフを始めたい初心者にとっても、非常に有力な選択肢となるでしょう。
このように、最新の技術が詰まった新車から、歴史に名を刻んだ個性的な中古車まで、多種多様なモデルの中から「最高の相棒」を探す楽しみがあるのも、250ccオフロードバイクならではの醍醐味なのです。
オフロードバイクの基本的な種類と特徴

250ccオフロードバイクと一括りに言っても、その楽しみ方や得意なステージによっていくつかの種類に分けられます。まずはそれぞれの特徴を理解することが、自分にぴったりの一台を見つけるための第一歩です。
公道走行を前提としたオフロードバイクは、大きく「トレールバイク」と「アドベンチャーバイク」の2種類に分類できます。
トレールバイク(デュアルパーパス)
林道(トレール)を散策するように走ることを得意とする、最も一般的なオフロードバイクです。「デュアルパーパス(2つの目的)」という名前の通り、舗装路(オンロード)と未舗装路(オフロード)の両方を走ることを想定して作られています。扱いやすいエンジン特性や良好な足つき性を持つモデルが多く、街乗りから通勤、本格的な林道ツーリングまで、あらゆる場面で活躍するオールラウンダーと言えるでしょう。ホンダのCRF250LやカワサキのKLX230 S、そして生産終了後も絶大な人気を誇るヤマハのセロー250などがこのカテゴリを代表するモデルです。
アドベンチャーバイク
トレールバイクよりも、高速道路などを使った長距離ツーリングの快適性を高めたモデルです。大きなウインドスクリーンや大容量の燃料タンク、そして荷物を積みやすい大型のリアキャリアなどを備えているのが特徴。「冒険」の名が示す通り、長旅の相棒として頼れる存在です。もちろん、未舗装路への走破性も十分に確保されており、「遠くの林道まで快適に移動し、そのままオフロード走行も楽しみたい」といった使い方に最適です。ホンダのCRF250 RALLYやスズキのV-Strom 250SXなどがこのジャンルに含まれます。
エンデューロレーサー(競技用モデル)
一方で、「エンデューロ」と呼ばれるオフロードレースで勝つことだけを目的に開発されたのがエンデューロレーサーです。公道走行に必要なライトやミラーといった保安部品は基本的に装備されておらず、ナンバーを取得することもできません。その代わりに、徹底的に軽量化された車体と、レースで勝つためのパワフルなエンジン、高性能なサスペンションを備えています。KTMの250 EXC-FやハスクバーナのFE 250といった海外メーカー製が主流で、週末はレースやクローズドコースで本格的に走り込みたいという上級者向けのモデルです。
このように、自分がバイクをどのような場面で使いたいかを考えることで、選ぶべきバイクの種類が自ずと見えてくるはずです。
トレールバイク|林道も街乗りもこなす万能タイプ

オフロードバイクと聞いて多くの人がイメージするのが、この「トレールバイク」でしょう。林道や未舗装路といったオフロードを走るためのサスペンションやブロックパターンのタイヤを備えながら、ヘッドライトやウインカー、ミラーといった公道走行に必要な保安部品を標準で装備しているのが最大の特徴です。
その名の通り、「トレール(林道)」を楽しむことを主眼に置きつつも、日常の足としての利便性も高いレベルで両立させています。そのため、平日は通勤や街乗りに使い、週末にはそのまま高速道路に乗って遠くの山へ林道ツーリングに出かける、といった楽しみ方が一台で完結します。
パワーは比較的マイルドで扱いやすく、足つき性に配慮したモデルも多いため、これからオフロードライディングを始めたい初心者が最初に選ぶ一台として最適です。代表的なモデルとしては、ホンダの「CRF250L」やカワサキの「KLX230」、そして生産終了後も絶大な人気を誇るヤマハの「セロー250」などが挙げられます。
アドベンチャーバイク|長距離ツーリング向けのタイプ

舗装路の長距離移動と、その先にある未舗装路への冒険、その両方を快適に楽しむために生まれたのが「アドベンチャーバイク」です。その最大の特徴は、旅を快適にするための豪華な装備にあります。
高速道路での走行時にライダーを風圧から守ってくれる大型のウインドスクリーン、給油の回数を減らして長大な航続距離を実現する大容量の燃料タンク、そして厚みのある快適なシート。これらはすべて、一日で何百キロも移動するような長距離ツーリングでの疲労を大幅に軽減するためのものです。
もちろん、オフロードバイクとしての基本性能も備えており、旅先で出会った林道やダートへも臆することなく分け入っていけます。ホンダの「CRF250 RALLY」やスズキの「V-Strom 250SX」などがこのタイプの代表例です。まさに「冒険の旅」という言葉が最も似合う、頼れる相棒と言えるでしょう。
エンデューロレーサー|競技での勝利を目指すタイプ

林道や山岳地帯などの自然の地形を舞台に、長距離を走り抜く耐久レース「エンデューロ」。その競技で勝利を掴むために、速く走ることだけを追求して開発されたマシンが「エンデューロレーサー」です。
一般的にオフロードバイクと聞いて多くの人がイメージするトレールバイクが、ツーリングや林道散策を「楽しむ」ことを目指しているのに対し、エンデューロレーサーは純粋に「競技で勝つ」ことを目的としています。そのため、快適性や扱いやすさよりも、まず軽さとパワーが最優先。エンジンは極限まで軽量化されながら高出力にチューニングされ、サスペンションも高速で荒れた路面を走破するための高性能なものが装備されます。
公道走行に必要なヘッドライトやウインカーといった保安部品は、競技に最低限必要なものが付いているか、あるいは全く装備されていないモデルも少なくありません。KTMの「EXC-F」シリーズやハスクバーナの「FE」シリーズ、GASGASの「EC」シリーズ、Betaの「RR」シリーズなどがその代表格です。
ナンバーを取得して公道を走行できるモデルもありますが、その乗り味やメンテナンス性はトレールバイクとは全く異なり、あくまでもレース活動を主眼に置いたライダー向けの、極めて専門性の高い一台と言えるでしょう。
公道モデルと競技用モデルの明確な違い

オフロードバイクにおける公道モデルと競技用モデルの最も大きな違いは、「ナンバープレートを取得し、公道を走れるかどうか」という点に尽きます。 この違いは、バイクの設計思想そのものに起因しています。
公道モデルの代表格である「トレールバイク」は、林道ツーリングから日常の通勤・通学まで、幅広い用途に対応できるよう設計されています。 そのため、ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、ミラーといった、公道走行に必須の保安部品がすべて標準装備されています。 また、長距離走行でも疲れにくい快適性や、頻繁なメンテナンスを必要としない耐久性、そして多くの人が扱いやすいと感じる穏やかなエンジン特性も重視されています。
一方、競技用モデルである「エンデューロレーサー」や「モトクロッサー」は、レースで勝利することだけを目的に開発されたマシンです。 速く走るために不要な部品は徹底的に削ぎ落とされており、保安部品はもちろん、スピードメーターさえ付いていないモデルがほとんどです。 軽量化とハイパワー化を最優先しているため、エンジンは非常に高性能ですが、その分メンテナンスサイクルは短く、乗り心地もハードです。 公道を走行することは想定されていないため、通常はトラックなどの輸送車両でサーキットやコースまで運んで走行を楽しみます。
つまり、未舗装路の冒険だけでなく、そこへ至るまでの道のりも楽しみたいのであれば公道モデル、クローズドコースでスポーツ走行の限界に挑戦したいのであれば競技用モデルが、それぞれの目的に合った選択となるでしょう。
後悔しない250ccオフロードバイクの選び方 5ステップ

250ccオフロードバイクは、日常の喧騒から抜け出し、まだ見ぬ景色へと連れて行ってくれる最高の相棒です。しかし、いざ選ぶとなると「どれも同じに見える」「何から考えればいいかわからない」と悩んでしまう方も少なくありません。
自分にぴったりの一台と出会い、後悔のないオフロードバイクライフをスタートさせるために、以下の5つのステップであなたの考えを整理していきましょう。
ステップ1: 何をしたい?「メインの用途」を決める
まず最初に、あなたがオフロードバイクで「最も何をしたいか」を具体的にイメージすることが重要です。それによって、選ぶべきバイクの方向性が大きく変わってきます。
林道ツーリングがしたい: 舗装されていない道を走り、自然を満喫したいなら、悪路での走破性と扱いやすさのバランスが取れた「トレールバイク」が最適です。
街乗りや通勤・通学がメイン: 日常の足として気軽に使いたいなら、燃費の良さや足つき性、小回りの利く軽快さが重要になります。
高速道路を使った長距離ツーリングも楽しみたい: 目的地まで快適に移動したい場合は、パワーに余裕があり、風を防ぐスクリーンなどを備えた「アドベンチャーバイク」も視野に入ってきます。
本格的なオフロードコースやレースに挑戦したい: スポーツとしてオフロード走行を極めたいのであれば、競技専用に設計された「エンデューロレーサー」という選択肢もあります。
すべての用途を完璧にこなすバイクは存在しません。「週末は林道に行くのがメインだけど、平日は通勤にも使いたい」というように、最も優先したい用途を軸に考えることが、理想の一台を見つけるための第一歩です。
ステップ2: 何を求める?「重視する性能」に順位をつける
メインの用途が決まったら、次はバイクに求める性能や特徴に優先順位をつけましょう。すべての要素が満点ということはあり得ないので、自分にとって「これだけは譲れない」というポイントを明確にすることが大切です。
足つき性(シート高): 初心者が最も不安に感じるポイントです。スペック上のシート高の数値だけでなく、車体のスリムさによっても足つきの感覚は大きく変わります。
車体の軽さ(車両重量): 取り回しのしやすさや、万が一転倒した際の引き起こしの負担に直結します。特に未舗装路では、軽さが大きな安心感につながります。
パワー(エンジン特性): 高速道路を頻繁に使うならパワーの余裕が欲しくなります。一方で、林道では高回転のパワーよりも、低回転で力強く地面を掴む(トルクフルな)エンジン特性が扱いやすいと感じるでしょう。
航続距離(タンク容量): ガソリンスタンドが少ない山奥へツーリングに行く機会が多いなら、燃料タンクの容量が大きい方が安心して冒険を楽しめます。
維持費(燃費・部品代): 購入後のランニングコストも重要な判断基準です。日々のガソリン代に関わる燃費性能や、タイヤといった消耗品の価格も考慮に入れておきましょう。
これらのポイントに自分なりの優先順位をつけることで、数あるバイクの中から候補を効率的に絞り込むことができます。
ステップ3: 新車?中古車?「購入の選択肢」を考える
次に、新車で購入するのか、中古車で探すのかを決めましょう。それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いかはあなたの予算やバイクとの付き合い方によって異なります。
新車のメリット
メーカー保証が付いており、故障の心配が少ない
誰も乗っていないまっさらな状態から乗り始められる満足感
最新の技術やデザインの恩恵を受けられる
中古車のメリット
新車に比べて購入費用を抑えられる
同じ予算でも、よりグレードの高いモデルを狙える
すでに生産が終了してしまった人気の名車も選択肢に入る
オフロードバイクは転倒がつきものなので、「最初のうちは傷がつくことを気にせず練習したい」という方は、比較的手頃な中古車から始めるのも賢い選択です。一方で、「長く安心して乗りたい」「最新の性能を体感したい」という方は、新車を選ぶことで得られる満足感は大きいでしょう。
ステップ4: 調べて比べる!「候補となる車種」を絞り込む
ここまでのステップで明確になった「用途」「重視する性能」「新車か中古か」という自分だけの判断軸をもとに、いよいよ具体的な車種の情報を集めていきましょう。バイク情報サイトや雑誌、個人のブログ、YouTubeのインプレッション動画など、様々な情報源を活用して候補となるバイクをリストアップします。
スペック表の数値を比較するだけでなく、実際に所有しているオーナーのレビューを参考にすることで、カタログだけではわからないリアルな長所や短所を知ることができます。この後のランキングセクションでは、様々なモデルを客観的な視点で比較紹介しているので、ぜひあなたの候補リスト作成に役立ててください。
ステップ5: 見て、触って、乗ってみる!「最後は実車で確認」
情報収集である程度候補が絞れたら、最後の仕上げとして必ず実車を確認しに行きましょう。バイクショップに足を運び、実際にバイクに跨ってみることは非常に重要です。
特に「足つき性」は、あなたの身長や体重、バイクのサスペンションの沈み込みによって、スペックの数値とは全く異なる印象を受けることがよくあります。また、ハンドルまでの距離やステップの位置、車体を左右に振ってみた時の重さの感覚など、実際に触れてみることで初めてわかることがたくさんあります。
可能であれば、レンタルバイクや販売店の試乗会などを利用して、実際に公道を走ってみることを強くおすすめします。エンジン音や振動、加速感といった「乗り味」が自分のフィーリングに合うかどうかは、最終的な満足度を大きく左右するからです。
これらの5つのステップを丁寧に進めることで、あなたはきっと後悔することのない、最高の相棒を見つけ出すことができるでしょう。
STEP1|主な用途を明確にする

250ccオフロードバイクと一括りにいっても、その個性は多種多様です。まずはあなたがバイクを手に入れた後、「どこで」「どんな風に」走りたいのかを具体的にイメージすることが、最高の相棒を見つけるための最も重要な第一歩となります。なぜなら、あなたの主な用途によって、選ぶべきバイクの最適な特性が大きく変わってくるからです。
例えば、週末に非日常を味わう「林道ツーリング」が最大の目的なら、未舗装路での扱いやすさが最優先されます。軽くて取り回しが良く、いざという時に自分の力でコントロールできる車体は、大きな安心感につながるでしょう。
一方で、主な用途が「街乗りや通勤・通学」なのであれば、重視すべきポイントは変わってきます。信号の多い市街地でのストップ&ゴーを快適にする足つき性の良さや、日々のコストを抑える燃費性能が重要になるはずです。
また、「高速道路を使って遠くまでツーリングしたい」という夢があるかもしれません。その場合は、ある程度のパワーと、長距離走行でも疲れにくい快適性、風圧を軽減してくれるスクリーンなどの装備が求められます。
もちろん、「林道も街乗りもツーリングも、全部楽しみたい」という方も多いでしょう。その場合は、それぞれの要素をバランス良く満たしてくれる万能な一台が候補になります。
まずはあなたのバイクライフで最も優先したいシーンを思い描いてみてください。それだけで、無数にある選択肢が自然と絞られ、後悔のないバイク選びが可能になります。
STEP2|重視するポイントを絞り込む

自分のライディングスタイルを大まかにイメージできたら、次はバイクに求める性能の優先順位を具体的に決めていきましょう。すべての性能が完璧なバイクは存在しないため、「これだけは譲れない」というポイントを絞り込むことが、理想の一台と出会うための重要なステップになります。
足つきの良さ|安心感は最優先?
特にオフロードバイク初心者にとって、最も気になるのが「足つき性」ではないでしょうか。信号待ちやちょっとした停車はもちろん、林道の傾斜地や不整地で足を着く場面では、足がしっかりと地面に届けば転倒のリスクを大幅に減らすことができます。
バイクのスペック表にある「シート高」の数値が一番の目安になりますが、それだけで判断するのは早計です。実際に跨ってみると、シートの幅がスリムであったり、サスペションが柔らかく沈み込んだりすることで、数値以上に足つきが良く感じるモデルも少なくありません。まずはこの「安心感」をどれだけ重視するかを考えてみましょう。
車体の軽さ|オフロードでの武器になる
次に重要なのが「車体の軽さ」です。スペック表の「車両重量」を確認しましょう。街中でのUターンや駐車場の出し入れといった日常的な取り回しはもちろん、オフロードでは軽さが絶大な武器になります。
例えば、林道でバランスを崩してバイクを倒してしまった場合を想像してみてください。その際、一人でバイクを引き起こせるかどうかは、車両重量に大きく左右されます。たった数kgの違いが、疲労度や「この先へ進んでみよう」という冒険心にまで影響を与えるのがオフロードバイクの面白いところです。
パワー・走行性能|どんな走りを楽しみたい?
あなたがバイクに求める「楽しさ」はどんな質のものでしょうか。
林道をトコトコ走りたい: 高回転のパワーよりも、エンジンが停止しにくい低速での粘り強さ(トルク)が重要になります。
高速道路も使って遠くまでツーリングしたい: ある程度の最高出力と、高速巡航時の振動の少なさが快適性に繋がります。
ダートでアグレッシブに走りたい: 鋭い加速を可能にするパワフルなエンジンが求められます。
エンジンの特性は、水冷か空冷か、単気筒か二気筒かといった形式によっても変わってきます。自分の走りたいステージに合ったエンジン性能を見極めましょう。
タンク容量|冒険の範囲を決める
意外と見落としがちですが、「燃料タンク容量」も重要なポイントです。特に、ガソリンスタンドがほとんどない山奥の林道へツーリングに出かけるなら、航続距離の長さは精神的な余裕に直結します。
一般的に、タンク容量が大きければ長距離を無給油で走れますが、その分ガソリン満タン時の車両重量は重くなり、重心も高くなる傾向があります。長距離の安心感を優先するのか、それとも身軽さを重視するのか、これもあなたの使い方次第です。
これらのポイントに自分なりの優先順位をつけることで、数あるバイクの中から候補をぐっと絞り込めるようになります。
STEP3|新車か中古車かを選択する

オフロードバイクを選ぶ際、多くの人が悩むのが「新車」と「中古車」のどちらを選ぶかという問題です。それぞれに明確なメリットとデメリットが存在するため、一概にどちらが良いとは言えません。自身の予算やバイクに求めるもの、そしてオフロードという趣味とどう付き合っていきたいかを基準に判断することが、後悔しない選択への近道となります。
新車のメリットとデメリット
新車を選ぶ最大のメリットは、何と言ってもその「安心感」にあります。メーカーによる正規保証が付いており、万が一のトラブルにも対応してもらえます。エンジンやフレームといった主要部品はもちろん新品のため、故障のリスクは極めて低く、しばらくは消耗品の交換だけで済む場合がほとんどです。また、誰にも乗られていない「自分だけの一台」という所有満足感や、最新の技術が投入された性能を存分に味わえるのも新車ならではの魅力でしょう。
一方で、デメリットは「価格の高さ」です。車両本体価格に加え、各種諸費用がかかるため、初期投資は大きくなります。また、ピカピカの新車であるがゆえに「転倒して傷つけたくない」という心理的なプレッシャーが生まれやすい点も、オフロードバイクならではの悩みと言えるかもしれません。林道などでの転倒はつきものですが、最初のうちは精神的なハードルが高く感じられる可能性があります。
中古車のメリットとデメリット
中古車の最大の魅力は、「価格の手頃さ」です。新車に比べて初期費用を大幅に抑えることができ、浮いた予算をヘルメットやウェアなどの装備品に充てることも可能です。また、ヤマハの「セロー250」や「WR250R」のように、惜しまれつつも生産を終了してしまった人気の絶版名車に乗れるのは、中古車ならではの特権です。
さらに、オフロード走行をためらうことなく練習したい初心者にとっては、多少の傷や汚れがすでにある中古車の方が、心理的なハードルが低くなるというメリットもあります。「オフロードバイクの傷は勲章」と割り切り、気兼ねなくダート走行に挑戦できるでしょう。
しかし、中古車には「コンディションの見極めが難しい」という大きなデメリットが伴います。オフロードバイクは過酷な環境で使われることが多いため、見た目は綺麗でも、フレームに歪みが生じていたり、サスペンションが劣化していたりするケースも少なくありません。購入後に思わぬ修理費用が発生するリスクがあるため、信頼できるバイクショップで、整備記録がしっかりしている車両を選ぶことが極めて重要になります。
まとめ:あなたに合うのはどちら?
結論として、どちらを選ぶべきかはあなたの価値観次第です。
新車がおすすめな人
予算に余裕があり、初期費用を抑えることよりも安心感を優先したい方
故障やメンテナンスの心配をせず、とにかくすぐに走りを楽しみたい方
最新モデルのデザインや性能に魅力を感じる方
中古車がおすすめな人
初期費用をできるだけ抑え、装備の購入やカスタムに予算を回したい方
生産が終了してしまった憧れのモデルに乗りたいという明確な目標がある方
転倒による傷を気にせず、オフロード走行の練習に打ち込みたい方
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分にとって最適な一台を選び、素晴らしいオフロードバイクライフをスタートさせましょう。
初心者の3つの不安を解消するポイント

オフロードバイクへの憧れが膨らむ一方で、初心者ならではの不安を感じている方も多いのではないでしょうか。「自分に乗りこなせるだろうか」「買ってから後悔しないだろうか」といった悩みは、誰もが通る道です。
ここでは、特に多くの初心者が抱える「足つき」「中古車の品質」「費用」という3つの大きな不安を解消するための、具体的なチェックポイントを解説します。
ポイント1:【足つき】スペックの数字に惑わされず、実際に跨ってみる
カタログスペックの「シート高」の数値だけを見て、「自分には無理かもしれない」と諦めてしまうのは非常にもったいないことです。オフロードバイクの足つき性は、シート高の数字だけでは判断できません。
なぜなら、実際の足つきは以下の2つの要素に大きく影響されるからです。
車体のスリムさ: 同じシート高でも、シートやタンク周りがスリムなバイクは足をまっすぐ下に降ろしやすいため、足つきが良く感じられます。
サスペンションの沈み込み: ライダーが跨ることで、その体重によってサスペンションが沈み込み、スペック上の数値よりもシート高が下がります。オフロードバイクはサスペンションの可動域が大きいため、この沈み込み量が特に重要になります。
例えば、身長170cmのライダーがシート高830mmのホンダCRF250L<s>に跨ると、両足のつま先がしっかりと接地します。一方で、よりシート高が低いカワサキKLX230 Sのようなモデルであれば、かかとに近い部分まで接地し、大きな安心感が得られるでしょう。
重要なのは、バイクショップで実際に跨ってみて、自分の感覚で確かめることです。その際は、平坦な場所だけでなく、少し傾斜のある場所を想定して車体を左右に傾けてみるなど、より実践的な状況で足がつけるかを確認することをおすすめします。
ポイント2:【中古車】外装の傷より「骨格」のダメージをチェックする
手頃な価格が魅力の中古車ですが、そのコンディションの見極めは初心者にとって最大の難関です。オフロードバイクは転倒することが前提の乗り物なので、外装の擦り傷や多少の凹みは「勲章」のようなもので、走行性能に直接影響することはほとんどありません。
気にするべきなのは、バイクの「骨格」にあたる部分のダメージです。以下の3点は、購入後に高額な修理費用につながる可能性があるため、必ずチェックしましょう。
- フレームの歪み: ハンドルを左右に切った際に、フレーム側にある「ハンドルストッパー」という突起が当たる部分を確認します。この部分に大きな凹みや塗装の剥がれ、修正した跡などがある場合、正面から強い衝撃を受けた(=大きな転倒をした)可能性があり、フレーム自体が歪んでいるリスクが考えられます。
- ステムベアリングのガタ: バイクの操縦安定性に関わる重要な部分です。フロントブレーキをかけた状態でハンドルを持ち、車体を前後に揺すってみてください。この時、「カックン」という感触や異音がする場合は、ベアリングが損傷している可能性が高く、修理には数万円の費用がかかります。
- サスペンションのオイル漏れ: フロントフォークやリアショックの、ピカピカ光る金属の棒(インナーチューブ/ロッド)部分に、オイルが滲んでいないか指で触って確認します。オイルが付着している場合、内部のシールが劣化してオイル漏れを起こしており、性能が著しく低下しているだけでなく、修理には高額な費用が必要です。
これらのポイントは、バイクに詳しくなくても確認できます。中古車を選ぶ際は、傷の多さよりも「骨格」の健全性を重視することが、失敗しないための鍵となります。
ポイント3:【費用】「乗り出し総額」と「年間維持費」を把握する
バイク購入の予算を考える際、車両本体価格だけで計算してしまうと、後で「思ったより高かった」ということになりかねません。実際にバイクを手に入れるためには、車両代以外にも様々な諸費用が必要です。
乗り出し総額のシミュレーション
一般的に、中古車の場合「車両本体価格+5〜10万円」が乗り出し総額の目安となります。
| 費用の種類 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | (例) | 400,000円 |
| 納車整備費用 | オイル交換や各部点検など、安全に乗るための整備費用。 | 20,000円~50,000円 |
| 登録代行費用 | ナンバープレートの取得手続きを代行してもらう費用。 | 15,000円~30,000円 |
| 自賠責保険料 | 加入が義務付けられている強制保険。 | 7,270円(12ヶ月)~ |
| 合計(乗り出し総額) | 約45万円~50万円 |
年間維持費のシミュレーション
購入後にかかる年間の維持費も把握しておきましょう。乗り方によって変動しますが、「週末に林道ツーリングを楽しむ」といった乗り方を想定した場合の目安は以下の通りです。
| 費用の種類 | 内容 | 目安金額(年間) |
|---|---|---|
| 軽自動車税 | 毎年4月1日時点の所有者に課税。 | 3,600円 |
| 任意保険料 | 対人・対物賠償など。年齢や等級で大きく変動。 | 20,000円~50,000円 |
| ガソリン代 | 燃費30km/L、年間5,000km走行、ガソリン170円/Lで計算。 | 約28,000円 |
| 消耗品代 | エンジンオイル、タイヤ、チェーン、ブレーキパッドなど。 | 30,000円~70,000円 |
| 合計(年間維持費) | 約8万円~15万円 |
特にオフロードバイクは、オンロードバイクに比べてタイヤやチェーン、スプロケットといった駆動系の消耗が早い傾向にあります。これらの費用もあらかじめ考慮しておくことで、安心してバイクライフをスタートできるでしょう。
【写真で比較】身長別(165cm・175cm)の足つき性

オフロードバイク選びで多くの初心者が最初にぶつかる壁が「足つき性」です。カタログに記載されているシート高の数値だけを見ても、実際に自分が跨ったときに足が着くのか、不安に感じる方は少なくありません。
足つき性は、シート高だけでなく、シートの幅や形状、車体のスリムさ、そして乗車した際のサスペンションの沈み込み量によって大きく変わります。そこで今回は、身長の異なる2人のライダー(165cm・175cm)が、代表的な250ccオフロードバイクに跨った場合、足つきがどのように変わるのかを写真で比較しながら見ていきましょう。
身長165cmのライダーの場合
小柄な方や、オフロードバイクに乗り慣れていない方が特に気になるのがこの身長でしょう。
【ホンダ CRF250L(シート高880mm ※標準仕様)】
写真を見ると、両足を着こうとするとつま先がツンと着く程度です。しかし、少しお尻をずらして片足に体重をかければ、母指球(足の親指の付け根)あたりまで接地するため、信号待ちなどで不安を感じることは少ないでしょう。車体がスリムなため、スペックの数値ほど足つきの悪さは感じにくいのが特徴です。足つき性を向上させたシート高830mmの「s」タイプであれば、さらに安心感が高まります。
【カワサキ KLX230 S(シート高830mm)】
CRF250Lの「s」タイプと同じシート高ですが、跨ってみると両足の母指球までしっかりと地面を捉えることができます。サスペンションの沈み込みも手伝って、数値以上に足つきが良く感じられます。この安心感は、特に林道の入り口や不整地で停止する際に、大きなアドバンテージとなるでしょう。
身長175cmのライダーの場合
平均的な身長のライダーであれば、ほとんどの車種で不安を感じることは少なくなるでしょう。
【ホンダ CRF250L(シート高880mm ※標準仕様)】
身長175cmのライダーが跨ると、両足のかかとがわずかに浮く程度で、ほぼべったりと足が着きます。膝にも余裕があり、停車時や取り回しで不安を感じることはまずありません。スタンディング(立ち乗り)姿勢も自然に取れるポジションです。
【カワサキ KLX230 S(シート高830mm)】
両足のかかとまで完全にべったりと地面に着き、膝が大きく曲がるほどの余裕があります。この足つきの良さは、ぬかるんだ場所で足を使ってバイクを支えたり、狭い場所で方向転換したりする際に絶大な安心感をもたらします。
このように、同じバイクでもライダーの身長によって足つきは大きく変わります。また、スペック上のシート高が同じでも、車体設計によって実際の足つき感覚は異なることがお分かりいただけたでしょう。
最も重要なのは、カタログスペックだけで判断せず、必ず実車に跨ってみることです。バイクショップで実際に跨ることで、自分の体格に合った一台を見つけやすくなります。その際は、平坦な場所だけでなく、少し傾斜のある場所を想定して車体を支えてみるなど、より実践的な確認をすることをおすすめします。
【プロが解説】購入を避けるべき中古車の見極め方5選

オフロードバイクは転倒がつきもの。そのため中古車選びでは、オンロードバイク以上にシビアなチェックが求められます。見た目の綺麗さに惑わされず、これから紹介する5つのポイントを必ず確認し、購入後の高額な修理リスクを避けましょう。
1. フレームの歪みや大きなサビがないか
フレームはバイクの「骨格」にあたる最重要部分です。大きな転倒や事故によりフレームが歪んでいると、まっすぐ走らなかったり、ハンドリングに異常が出たりと、安全な走行ができません。
【チェック方法】
ハンドルストッパーの確認: ハンドルを左右いっぱいに切った際に、フレーム側にある「ハンドルストッパー」という突起と、ハンドルの付け根部分(ステム)がしっかり当たるか確認します。ここに大きな傷や凹み、あるいは不自然な溶接跡がある場合、正面から強い衝撃を受けた可能性があります。
フレームの目視: 特にエンジンの下やスイングアームの付け根あたりは、泥や水が溜まりやすくサビが発生しやすい箇所です。塗装が浮き上がるほどの深刻なサビは、フレームの強度を低下させている恐れがあるため注意が必要です。
2. サスペンションからオイルが漏れていないか
オフロード走行の衝撃を吸収するサスペンションは、バイクの乗り心地と性能を左右する心臓部です。特にフロントフォークのオイル漏れは、ブレーキにオイルが付着して制動力が低下する危険性もあるため、入念にチェックしましょう。
【チェック方法】
フロントフォーク: フォークの金属部分(インナーチューブ)を手で触り、オイルが付着していないか確認します。黒いゴムのブーツが付いている場合は、少しめくって内部を覗き込み、オイルが滲んでいないかチェックしてください。
リアサスペンション: 車体の下を覗き込み、スプリングの中心にあるダンパー部分からオイルが漏れていないか、ライトを当てて確認します。
動作確認: 実際にバイクに跨り、ブレーキをかけながら車体を前後に数回揺すってみます。サスペンションがスムーズに沈み込み、自然に戻ってくるかを確認し、「フワフワ」とした感触が続く場合は、内部のオイルやガスが抜けている可能性があります。
3. ハンドル(ステムベアリング)にガタつきはないか
ハンドルの動きをスムーズにする「ステムベアリング」という部品にガタがあると、走行中にハンドルがブレたり、カーブで不自然な挙動を示したりと非常に危険です。
【チェック方法】
- 可能であれば、誰かに手伝ってもらうかメンテナンススタンドを使ってフロントタイヤを浮かせます。
- フロントフォークの下部を両手で持ち、前後に揺すってみます。
- この時、「カクカク」といった小さな振動や異音が手に伝わってきたら、ベアリングが劣化しているサインです。交換には高額な工賃がかかる場合があります。
4. エンジンから異音やオイル漏れはないか
エンジンはバイクの心臓であり、修理には最も費用がかかる部分です。エンジンを始動させてもらい、必ず自分の耳と目で状態を確認しましょう。
【チェック方法】
エンジン始動: 冷えた状態からスムーズに始動するか確認します。
アイドリング時の異音: エンジンが温まった状態で、「カラカラ」「カタカタ」「ガチャガチャ」といった、明らかに不規則な機械音が聞こえないか耳を澄ませます。
エンジン下部のオイル漏れ: エンジンの真下や、エンジン側面のつなぎ目(ガスケット)からオイルが滲んでいないか、地面にオイルのシミができていないかを確認します。特にオフロードバイクは、岩などでエンジン下部をヒットしているケースがあるため要注意です。
5. タイヤ・チェーン・スプロケットの状態はどうか
タイヤやチェーン、スプロケット(チェーンを駆動させる歯車)は消耗品ですが、交換となると数万円の出費になります。購入後すぐに交換が必要にならないよう、状態を確認しておくことが賢明です。
【チェック方法】
タイヤ: タイヤの溝が十分に残っているか、ひび割れ(特にサイドウォール)が発生していないかを確認します。オフロードタイヤのブロックが極端に摩耗している(角が丸くなっている)場合は、交換時期が近いサインです。
チェーンとスプロケット: チェーンがサビだらけになっていないか、固着して動きが悪くなっている部分がないかを確認します。また、スプロケットの歯の先端が、鉛筆の先のように鋭く尖っている場合は摩耗が進んでいる証拠です。これらはセットで交換するのが基本となります。
【購入前に確認】乗り出し総額と年間維持費のシミュレーション

オフロードバイクの購入を決める前に、車両本体価格以外にどれくらいの費用がかかるのか、そして年間の維持にどれくらい必要なのかを具体的に把握しておくことは非常に重要です。ここでは、新車と中古車それぞれのケースで「乗り出し総額」と「年間の維持費」をシミュレーションしてみましょう。
乗り出し総額のシミュレーション
「乗り出し総額」とは、車両本体価格に加えて、税金や保険料、登録に必要な手数料などをすべて含んだ、実際に公道を走り出すために必要な費用の合計です。
【ケース1】新車(車両本体価格60万円)を購入した場合
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | 600,000円 | |
| 法定費用 | 約18,500円 | |
| 自賠責保険料 | 7,500円 | 12ヶ月契約の場合。期間が長いほど割安。 |
| 自動車重量税 | 4,900円 | 新車登録時に1回のみ支払う。 |
| 印紙代など | 6,100円 | |
| 登録諸費用 | 約55,000円 | 購入する店舗によって変動します。 |
| 登録代行手数料 | 25,000円 | |
| 納車整備費用 | 30,000円 | |
| 乗り出し総額(目安) | 約673,500円 |
※上記に加え、任意保険料が別途必要になります。
【ケース2】中古車(車両本体価格40万円)を購入した場合
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | 400,000円 | |
| 法定費用 | 約13,600円 | |
| 自賠責保険料 | 7,500円 | 12ヶ月契約の場合。 |
| 自動車重量税 | 0円 | 新車登録時に支払われているため不要。 |
| 印紙代など | 6,100円 | |
| 登録諸費用 | 約55,000円 | 購入する店舗によって変動します。 |
| 登録代行手数料 | 25,000円 | |
| 納車整備費用 | 30,000円 | |
| 乗り出し総額(目安) | 約468,600円 |
※上記に加え、任意保険料が別途必要になります。
年間維持費のシミュレーション
次に、バイクを所有し続けるために毎年かかる費用を見ていきましょう。ここでは「週末の林道ツーリングをメインに、年間5,000km走行する」というモデルケースで計算します。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 税金・保険料 | 約41,100円 | |
| 軽自動車税 | 3,600円 | 毎年4月1日時点の所有者に課税されます。 |
| 自賠責保険料 | 7,500円 | 12ヶ月契約の場合。 |
| 任意保険料 | 30,000円 | 30代・新規契約の場合の目安。年齢や等級で変動。 |
| メンテナンス・消耗品費 | 約40,000円 | |
| エンジンオイル交換 | 10,000円 | 3,000km毎の交換を想定(年1〜2回)。 |
| タイヤ交換費用積立 | 20,000円 | オフロードタイヤは消耗が早いため(5,000km〜)。 |
| その他(チェーン等) | 10,000円 | チェーン清掃・注油、各部点検など。 |
| 燃料代 | 約29,200円 | |
| ガソリン代 | 29,200円 | 燃費30km/L、ガソリン価格175円/Lで計算。 |
| 年間維持費 合計(目安) | 約110,300円 |
このシミュレーションから、250ccオフロードバイクを所有するには、月々約9,200円の維持費がかかる計算になります。もちろん、これはあくまで一つのモデルケースです。走行距離が長くなればガソリン代や消耗品費は増えますし、駐車場を借りる場合はその費用も上乗せされます。
購入前にこれらの費用を具体的に把握し、無理のないバイクライフの計画を立てることが、長く楽しむための秘訣です。
250ccオフロードバイクおすすめランキング15選

ランキングの選定基準と性能比較一覧表

今回のランキングは、オフロードバイクに初めて乗る方や、久しぶりにバイクへ返信するリターンライダーの方が「買って後悔しない」一台を選べるよう、以下の4つの基準を総合的に評価して順位付けを行いました。
初心者でも安心の扱いやすさ
足つきの良さ、車体の軽さ、パワーの出方が穏やかでコントロールしやすいかといった、乗りやすさに直結するポイントを最重視しました。
幅広いシーンで楽しめる多用途性
メインの用途となる林道走行での走破性はもちろん、街乗りでの快適性やツーリングでの積載性など、どれだけオールマイティーに楽しめるかを評価しています。
現実的なコストパフォーマンス
新車・中古車を含めた車両本体の価格と、燃費や税金といった年間の維持費のバランスが良いかどうかも大切な選定基準です。
市場での人気と信頼性
多くのライダーから長年支持されてきた実績や、中古市場でのタマ数の豊富さ、現行モデルとしてのパーツ供給の安定性なども考慮に入れています。
ランキング本編に入る前に、今回ご紹介する全20車種のスペックと特徴を一覧表にまとめました。まずはバイク選びの全体像を掴み、それぞれのモデルが持つ個性や立ち位置を比較してみてください。
| 車種名 | 新車価格(税込) | 中古相場 | シート高 | 車両重量 | タンク容量 | エンジン形式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 【総合TOP10】 | |||||||
| ホンダ CRF250L | 621,500円 | 40〜70万円 | 830mm / 880mm | 141kg | 7.8L | 水冷4スト単気筒 | オンもオフもこなす現代の優等生 |
| ヤマハ セロー250 | 生産終了 | 45〜90万円 | 830mm | 133kg | 9.3L | 空冷4スト単気筒 | 絶対的な信頼感を持つマウンテントレール |
| カワサキ KLX230 S | 561,000円 | 40〜55万円 | 830mm | 136kg | 7.4L | 空冷4スト単気筒 | 誰もが楽しめる軽量トレールバイク |
| ホンダ CRF250 RALLY | 741,400円 | 50〜80万円 | 830mm / 885mm | 153kg | 12L | 水冷4スト単気筒 | 冒険心を駆り立てるラリーレプリカ |
| スズキ V-Strom 250SX | 569,800円 | 45〜55万円 | 835mm | 164kg | 12L | 油冷4スト単気筒 | 舗装路も得意なアドベンチャークロスオーバー |
| カワサキ KLX250 | 生産終了 | 25〜60万円 | 890mm | 136kg | 7.7L | 水冷4スト単気筒 | 「闘う4スト」の異名を持つ実力派 |
| ホンダ XR250 | 生産終了 | 20〜60万円 | 875mm | 129kg | 9.7L | 空冷4スト単気筒 | タフで扱いやすい空冷の名機 |
| ヤマハ WR250R | 生産終了 | 60〜120万円 | 895mm | 132kg | 7.6L | 水冷4スト単気筒 | 「オフロードのR1」と呼ばれた高性能マシン |
| ヤマハ トリッカー | 生産終了 | 30〜60万円 | 810mm | 127kg | 7.2L | 空冷4スト単気筒 | BMXのように遊べるフリーライドバイク |
| カワサキ スーパーシェルパ | 生産終了 | 25〜55万円 | 830mm | 128kg | 9.0L | 空冷4スト単気筒 | セローの好敵手、扱いやすさが魅力 |
| 【個性派10選】 | |||||||
| KTM 250 EXC-F | 1,599,000円 | 80〜140万円 | 963mm | 103.6kg | 8.5L | 水冷4スト単気筒 | レース直系の本格エンデューロレーサー |
| ハスクバーナ FE 250 | 1,623,000円 | 90〜150万円 | 952mm | – | 8.5L | 水冷4スト単気筒 | 高品質なパーツで組まれた北欧の刺客 |
| スズキ ジェベル250XC | 生産終了 | 20〜45万円 | 875mm | 147kg | 17L | 油冷4スト単気筒 | 巨大タンクが魅力の旅バイク |
| ヤマハ TT250R Raid | 生産終了 | 20〜50万円 | 875mm | 138kg | 16L | 空冷4スト単気筒 | パリダカマシンを彷彿とさせる冒険ツアラー |
| Beta RR 2T 250 | 1,430,000円 | 90〜130万円 | 930mm | 103.5kg | 9.5L | 水冷2スト単気筒 | 軽量ハイパワーな2ストエンデューロ |
| GASGAS EC 250F | 1,515,000円 | 80〜130万円 | 963mm | 106.6kg | 8.5L | 水冷4スト単気筒 | 情熱の赤が目印のスパニッシュエンデューロ |
| ファンティック XEF250 TRAIL | 890,000円 | 70〜85万円 | 915mm | 122kg | 7.5L | 水冷4スト単気筒 | イタリアンデザインが光る公道トレール |
| SWM RS250R | 789,800円 | 50〜70万円 | 955mm | 113kg | 7.2L | 水冷4スト単気筒 | 旧ハスクの血統を受け継ぐ本格派 |
| ホンダ XR230 | 生産終了 | 25〜50万円 | 805mm | 122kg | 8.7L | 空冷4スト単気筒 | コンパクトで足つき抜群の入門バイク |
| カワサキ KLX125 | 生産終了 | 15〜35万円 | 830mm | 112kg | 7.0L | 空冷4スト単気筒 | 維持費が安い原付二種の本格オフロード |
【初心者にも最適】総合おすすめランキングTOP10

1位|ホンダ CRF250L

オンロードの快適な移動から、未舗装路の冒険まで、あらゆるシーンで「ちょうどいい」性能を発揮してくれる現代のオフロードバイクの王道です。 その扱いやすさは、これからオフロードを始めたいと考える初心者の最初の相棒として、また、ベテランライダーが日常の足として使うセカンドバイクとしても絶大な支持を集めています。
最大の魅力は、突出した性能ではなく、全ての要素が高次元でバランスされている点にあります。市街地でのスムーズな発進・停止、高速道路を使ったツーリングでの安定性、そして林道に入った時の走破性、そのどれもがライダーの期待に応えてくれるでしょう。
また、多くのライダーが不安に感じる「足つき性」にも配慮されており、標準モデルに加えて、シート高を低く設定した「s」タイプがラインナップされているのも嬉しいポイントです。 これにより、小柄な方やオフロードバイクの車高に慣れていない方でも、安心して一歩を踏み出すことができます。
快適なライディングポジションと自然なハンドリングは、長距離の移動でも疲れにくく、「週末、どこか遠くへ走りに行きたい」という冒険心を掻き立ててくれます。 通勤・通学という日常から、林道ツーリングという非日常まで、この1台があればバイクライフの可能性は無限に広がるはずです。
| スペック | 詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC単気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| 最高出力 | 18kW (24PS) / 9,000rpm |
| シート高 | 880mm (s: 830mm) |
| 車両重量 | 141kg |
| 燃料タンク容量 | 7.8L |
| 新車価格 | 621,500円(税込) |
| 中古相場 | 45万円〜70万円 |
| 公式サイト | https://www.honda.co.jp/CRF250L/ |
2位|ヤマハ セロー250

1985年の初代登場から35年もの長きにわたり、オフロードバイクの代名詞として君臨し続けた伝説的な一台がヤマハのセロー250です。 「マウンテントレール」という独自のジャンルを切り拓き、その圧倒的な扱いやすさと信頼性で、多くのライダーをオフロードの世界へと誘いました。 2020年に惜しまれつつ生産終了となりましたが、その人気は衰えることを知らず、今なお中古市場で絶大な支持を集めています。
セロー250最大の魅力は、ライダーのレベルを問わない懐の深さにあります。特筆すべきはその足つきの良さで、スリムな車体と低いシート高は、オフロード走行に不安を感じる初心者や小柄な方にも絶大な安心感を与えてくれます。
エンジンは低回転から粘り強くトルクを発生させる特性で、まるで自分の足の延長のようにバイクをコントロールできる感覚は「二輪二足」という言葉で表現されました。 この優れた走破性により、ライダーはバイクから降りることなく、困難な地形を乗り越えていくことが可能です。街乗りから険しい山道まで、あらゆる場面でライダーをサポートしてくれる最高の相棒と言えるでしょう。
| スペック | ヤマハ セロー250 ファイナルエディション |
|---|---|
| エンジン形式 | 空冷 4ストローク SOHC 2バルブ 単気筒 |
| 排気量 | 249cc |
| 最高出力 | 20PS / 7,500rpm |
| シート高 | 830mm |
| 車両重量 | 133kg |
| タンク容量 | 9.3L |
| 新車価格(当時) | 588,500円 |
| 中古車相場 | 45万円~80万円 |
| 公式サイト | 公式サイト (※製品情報は掲載終了) |
3位|カワサキ KLX230 S

「誰もがオフロードライディングを楽しめる」というコンセプトのもと、エンジンから車体まで徹底的に扱いやすさを追求して開発されたのがカワサキのKLX230 Sです。 林道を気軽に散策するような「トレッキング」に最適な、低〜中回転域で力強い空冷単気筒エンジンを搭載。パワフルすぎない出力特性が、オフロード初心者でも安心してアクセルを開ける楽しさを教えてくれます。
このバイクの最大の魅力は、その軽量・スリムな車体にあります。シート高は830mmと低く抑えられており、車体幅もスリムなため、スペックの数値以上に足つきが良いのが特徴です。 不整地でバイクを支えなければならない場面でも、軽量な車体と良好な足つき性がライダーに大きな安心感を与えてくれます。
難しいことを考えずに、目の前の自然と向き合える。そんな純粋なオフロードの楽しさを味わいたいライダーにとって、最高の相棒となる一台と言えるでしょう。
| スペック | 詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 空冷4ストローク単気筒 / SOHC2バルブ |
| 総排気量 | 232cm³ |
| 最高出力 | 14kW(19PS)/7,600rpm |
| シート高 | 830mm |
| 車両重量 | 136kg |
| 燃料タンク容量 | 7.4L |
| 新車価格 | 517,000円 |
| 公式サイト | 公式サイト |
4位|ホンダ CRF250 RALLY

ダカール・ラリーに参戦する競技車両「CRF450 RALLY」の思想を受け継ぎ、冒険心を掻き立てるスタイルをまとったモデルが「CRF250 RALLY」です。 ベースとなったCRF250Lの軽快な走りはそのままに、長距離ツーリングを快適にする装備が与えられています。
特に大型のウインドスクリーンによる優れた防風性能は、高速道路での疲労を大幅に軽減してくれます。 また、燃料タンクは12Lの大容量を確保しており、満タンからの航続距離が長く、給油のために頻繁にツーリングを中断させられることもありません。
まさに「週末の冒険者」というコンセプトにふさわしく、オフロード走破性とツーリング性能を高次元でバランスさせた一台です。足つき性に配慮しシート高を抑えた標準モデル(シート高830mm)と、サスペンションストロークを伸ばしてオフロード性能をさらに高めた<s>(シート高885mm)の2タイプがラインナップされており、ライダーの体格や使い方に合わせて選べます。
| タイプ | CRF250 RALLY |
|---|---|
| メーカー希望小売価格(税込) | 764,500円 |
| エンジン | 水冷4ストロークDOHC単気筒 |
| シート高 | 830mm |
| 車両重量 | 153kg |
| 燃料タンク容量 | 12L |
| 公式サイト | 公式サイト |
5位|スズキ V-Strom 250SX

スズキのV-Stromシリーズが持つアドベンチャーバイクのDNAを受け継ぎ、250ccクラスに最適化されたモデルがV-Strom 250SXです。オフロード走破性を追求したマシンというよりは、舗装路での快適なツーリング性能を主軸に置きつつ、その旅の先にある未舗装路へも臆することなく踏み込んでいける懐の深さが魅力の一台と言えるでしょう。
心臓部には、スズキ独自の油冷方式を採用したSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)エンジンを搭載。 このエンジンは、特にツーリングで多用する中低速域での力強いトルクと優れた燃費性能を両立させています。高速道路を使った長距離移動から、郊外のワインディングロードまで、ライダーにストレスを感じさせない安定した走りを提供します。
V-Strom 250SXの真価は、そのバランス感覚にあります。舗装路ではアドベンチャーバイクらしい安定した直進安定性と軽快なハンドリングを発揮。 そして、ひとたびダート路面に足を踏み入れれば、専用設計の前後ホイールとタイヤが良好なグリップを生み出し、安心して走り抜けることが可能です。
さらに、拳を守るナックルカバーやエンジン下部を保護するアンダーカウルが標準で装備されている点も、これから冒険を始めたいライダーにとっては嬉しいポイントです。
主にツーリングを楽しみながら、キャンプ場へのアクセス道や景色の良い林道など、ちょっとした非日常の冒険も楽しみたい。そんな欲張りなニーズに応えてくれる、頼れる相棒となるでしょう。
| スペック | 詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 油冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ |
| 総排気量 | 249cc |
| 最高出力 | 19kW(26PS)/ 9,300rpm |
| 最大トルク | 22N・m(2.2kgf・m)/ 7,300rpm |
| シート高 | 835mm |
| 車両重量 | 164kg |
| 燃料タンク容量 | 12L |
| 新車価格 | 569,800円(税込)〜 |
| 公式サイト | 公式サイト |
6位|カワサキ KLX250

「闘う4スト」のキャッチフレーズで知られる、本格的な走行性能を追求したオフロードバイクです。 高回転までシャープに吹け上がる水冷DOHCエンジンを搭載し、そのパワフルな走りはヤマハのWR250Rとしばしば比較されるほどの実力を持っていました。
林道ツーリングはもちろん、エンデューロレースでも高いポテンシャルを発揮するため、オフロード走行を本気で楽しみたいライダーから根強い人気を誇ります。残念ながら2016年モデルのファイナルエディションをもって生産を終了しており、現在は中古車でしか手に入れることができません。
最終モデルは、デビュー当時のカラーリングとグラフィックを彷彿とさせるデザインが採用されており、往年のファンにとっては特別な一台となっています。 ヤマハのセロー250のような扱いやすさよりも、刺激的な走りやマシンを操る達成感を求める中級者以上のライダーにおすすめの一台と言えるでしょう。
| スペック情報 | |
|---|---|
| エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ |
| シート高 | 890mm |
| 車両重量 | 136kg |
| 燃料タンク容量 | 7.7L |
| 新車時価格(当時) | 564,840円(ファイナルエディション) |
| 中古車相場 | 35万円~65万円 |
| 公式サイト | 掲載終了 |
7位|ホンダ XR250

エンデューロレーサーXRの名を冠し、1995年にXLR250Rの後継としてデビューした公道走行可能モデルです。 信頼性の高い空冷RFVCエンジンは、低回転から粘り強く、初心者にも扱いやすいマイルドな出力特性を持っています。
頑丈なフレームとタフなサスペンションを備え、林道ツーリングから本格的なオフロード走行まで、様々なシーンで安定した走りを発揮。 長年にわたって生産されたロングセラーモデルであり、中古車市場でも豊富なタマ数とカスタムパーツに恵まれているのが魅力です。
また、特徴的な二眼ヘッドライトを装備した「XR250 BAJA(バハ)」という派生モデルも存在し、今なお根強い人気を誇ります。 シンプルな構造でメンテナンス性に優れるため、オフロードバイクの基本を学びながら長く付き合える一台と言えるでしょう。
8位|ヤマハ WR250R

「オフロード界のYZF-R1」という異名を持つ、突出した走行性能を誇る1台です。 そのコンセプトの通り、一般的なトレールバイクとは一線を画すハイスペックな装備が与えられました。250ccクラスでは異例とも言えるアルミフレームに、本格的な前後サスペンションを組み合わせることで、エンデューロレーサーに匹敵するほどのポテンシャルを発揮します。
2017年に生産を終了しましたが、その圧倒的なパフォーマンスから今なお中古車市場で高い人気を維持しています。 林道ツーリングはもちろん、高速道路を使った移動も余裕でこなし、時にはレースにも参戦したいという欲張りなライダーにとって、これ以上ない選択肢となるでしょう。
| スペック | 詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 |
| 最高出力 | 23kW (31PS) / 10,000rpm |
| シート高 | 895mm |
| 車両重量 | 132kg |
| 燃料タンク容量 | 7.6L |
| 新車価格(当時) | 721,440円 |
| 中古車相場 | 60万円~100万円 |
9位|ヤマハ トリッカー

BMXのように街を駆け、山を遊びつくす。そんな「フリーライド・プレイバイク」という唯一無二のコンセプトから生まれたのがヤマハ・トリッカーです。
最大の特徴は、他のオフロードバイクとは一線を画すスリムでコンパクトな車体。まるでマウンテンバイクかのような気軽さで跨がることができ、その圧倒的な軽さと足つきの良さは、オフロード初心者や小柄なライダーに絶大な安心感を与えてくれます。
心臓部には、名車セロー250と共通の扱いやすい空冷エンジンを搭載。低速から粘り強くトルクを発生させるため、街中でのストップ&ゴーはもちろん、ちょっとしたダート走行でもライダーを急かすことなく、意のままに操る楽しさを教えてくれるでしょう。
トリッカーの真骨頂は、ただ移動するだけの道具に留まらない点にあります。その軽量な車体は、ウィリーやジャックナイフといったトリッキーなアクションも得意とし、ライダーの遊び心をどこまでも刺激します。
林道を本格的に攻めるというよりは、「バイクと一緒に遊ぶ」という感覚が最も似合う一台。日常の足から週末の冒険まで、毎日を楽しくしてくれる最高の相棒を探しているなら、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。2018年モデルを最後に生産は終了していますが、中古市場では今なお高い人気を誇っています。
| スペック | 詳細 |
|---|---|
| エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| 最高出力 | 15kW (21PS) / 7,500rpm |
| シート高 | 810mm |
| 車両重量 | 127kg |
| 燃料タンク容量 | 7.2L |
| 新車時価格(最終) | 476,300円 |
| 中古車相場 | 35万円~65万円 |
10位|カワサキ スーパーシェルパ

「山岳の案内人」という名を持つ、ヤマハ・セローの好敵手として開発されたトレッキングバイクです。その最大の特徴は、クラスでも屈指のシート高の低さがもたらす優れた足つき性。オフロード走行に不安を感じる初心者や小柄なライダーにとって、この安心感は何物にも代えがたい魅力と言えるでしょう。
心臓部には、カワサキのオフロードバイクでは珍しい空冷DOHCエンジンを搭載。低回転域では粘り強く路面を掴み、高回転までスムーズに吹け上がるこのエンジンは、扱いやすさとオフロードでの走破性を高い次元で両立させています。
その名の通り、ライダーを優しく、そして力強く奥深い自然の中へと導いてくれるようなキャラクターは、特に林道ツーリングで真価を発揮します。生産終了から時間は経っていますが、そのフレンドリーな乗り味と信頼性の高さから、今なお中古市場で指名買いされることが多い一台です。
【経験者・マニア向け】個性派オフロードバイク5選

ここからは、レースで勝つことを目的としたマシンや、特定の用途に特化したモデルなど、よりディープなオフロードの世界を楽しみたい経験者やマニア向けの個性的なバイクを紹介します。
KTM 250 EXC-F

オーストリアのバイクメーカーKTMが製造する、エンデューロレースで勝利を掴むために開発された純粋な競技用モデルです。 その最大の特徴は、徹底的に軽量化された車体に、コンパクトでありながら非常にパワフルな250ccの4ストロークエンジンを搭載している点にあります。
サスペンションやブレーキといった足回りには、レースシーンで実績のある高品質なパーツが標準で装備されており、購入した状態のままでも高い戦闘力を発揮します。週末に本格的なレースを楽しみたいサンデーレーサーから、チャンピオンシップでの勝利を目指すプロライダーまで、あらゆるレベルの要求に応えるポテンシャルを秘めています。
ただし、快適性やメンテナンス性を重視した公道モデルとは一線を画すマシンであり、その性能を維持するためには、専門的な知識と定期的なメンテナンスが不可欠です。
ハスクバーナ FE 250

KTMグループの傘下にあるスウェーデンの名門ブランド、ハスクバーナ・モーターサイクルズが手がける本格的なエンデューロマシンです。 KTM 250 EXC-Fとはエンジンやフレームの基本を共有する兄弟車でありながら、リアサスペンションの形式や細部のセッティングが異なり、独自の乗り味を提供します。
WP製の高性能なサスペンションやBrembo製のブレーキシステムなど、高品質なコンポーネントで組み立てられており、購入した状態のままでエンデューロレースに参戦できるほどの高いパフォーマンスを秘めています。 白を基調としたスウェーデンブランドならではの洗練されたカラーリングとデザインも、所有欲を満たす大きな魅力と言えるでしょう。 林道ツーリングというよりは、週末のレース活動や本格的なオフロードライディングを楽しみたい経験者向けの、非常にコンペティティブな一台です。
スズキ ジェベル250XC

どこまでも走り続けたくなる、旅仕様のオフローダーがスズキ ジェベル250XCです。エンデューロレーサーレプリカであるDR250Rをベースに、長距離ツーリングでの快適性と積載能力を大幅に向上させたモデルとして開発されました。
最大の特徴は、クラス最大級となる17Lもの大容量燃料タンクです。一度の給油で長大な航続距離を誇り、給油ポイントが少ない林道の奥地や広大な大地を旅するライダーに絶大な安心感を与えます。さらに、夜間や悪天候時の視認性を高める大型のヘッドライト、そして多くの荷物を積載できる大型リアキャリアを標準で装備。その名の通り、クロスカントリー(XC)での使用を想定した、まさに冒険のためのマシンと言えるでしょう。
心臓部には、スズキ独自の油冷エンジンを搭載。優れた冷却性能と耐久性を誇り、長時間の連続走行でも安定したパフォーマンスを発揮します。DR250R譲りの高いオフロード走破性と、ロングツーリングに特化した装備を兼ね備えたジェベル250XCは、今なお多くのツーリングライダーから支持され続けている一台です。
ヤマハ TT250R Raid

エンデューロレーサー譲りの高い走行性能を誇ったTT250Rをベースに、長距離ツーリング性能を大幅に向上させたアドベンチャーツアラーモデルです。
最大の特徴は、パリ・ダカールラリーに参戦するマシンを彷彿とさせる、大容量16Lのフューエルタンクと大径のヘッドライトです。 これにより、長大な航続距離と夜間の視認性を確保し、ライダーをより遠くの目的地へと誘います。ベースモデルのパワフルなエンジンと優れた足回りはそのままに、どこまでも走り続けられるような安心感をプラスしたことで、冒険を愛するツーリングライダーから熱い支持を集めました。
Beta RR 2T 250

イタリアのエンデューロ専門メーカーBetaが送り出す、競技志向の2ストロークマシンです。現行のトレールバイクのほとんどが4ストロークエンジンを採用する中で、その存在は際立っています。
2ストロークエンジンならではの軽量な車体と、爆発的ともいえる瞬発力が最大の魅力です。 滑りやすい斜面や障害物が連続するハードエンデューロのようなシチュエーションで、その真価を発揮します。低速から力強いトルクを発生させる近年のモデルは、かつてのピーキーなイメージを覆し、より扱いやすくなっている点も特徴です。
公道走行可能なトレールバイクとは一線を画し、純粋にオフロードでのパフォーマンスを追求したい経験者や、競技へのステップアップを考えるライダーにとって最高の選択肢となるでしょう。
| スペック | |
|---|---|
| エンジン形式 | 2ストローク単気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| シート高 | 930mm |
| 車両重量 | 98kg(乾燥) |
| 燃料タンク容量 | 9.5L |
| 新車価格 | 1,320,000円〜 |
オフロードバイク購入後の準備と楽しみ方

オフロードバイクを手に入れたら、次は安全にライディングを楽しむための装備を揃えましょう。特にオフロード走行では、オンロードとは異なる専用の装備がライダーの身を守る上で非常に重要になります。ここでは、予算に応じた装備の揃え方をご紹介します。
予算5万円から始める「基本の安全セット」
まずは、安全に関わる最も重要な装備から揃えましょう。以下の4点は、林道デビューするための最低限の必須アイテムです。
オフロードヘルメット: 転倒時の頭部保護はもちろん、木の枝などから顔を守るためのバイザーや、呼吸がしやすいように突き出たチンガードが特徴です。
オフロードブーツ: 足首を確実に保護し、転倒時の捻挫や骨折のリスクを大幅に軽減します。硬いソールは、不整地でバイクを支える際にも役立ちます。
オフロードグローブ: ハンドル操作性を確保しつつ、転倒時の手のひらの怪我や、飛び石、枝などから手を守ります。
プロテクター(胸・肘・膝): ウェアの下に装着し、転倒時の衝撃から身体の重要な部分を保護します。
予算10万円で揃える「快適・安全フルセット」
基本セットに加え、より快適で安全なライディングを目指すなら、以下のアイテムも揃えるのがおすすめです。
オフロードジャージ・パンツ: 速乾性や伸縮性に優れ、プロテクターの上からでも動きやすいように作られています。
ゴーグル: ヘルメットの広い開口部から飛び込んでくる泥や虫、ホコリから目を守ります。
ネックブレース/ネックサポート: 転倒時に首への過度な負担がかかるのを防ぎ、頸椎損傷などの重大な怪我のリスクを低減します。
バイクを自分仕様に!定番カスタムのススメ
オフロードバイクのもう一つの楽しみが、自分の用途や好みに合わせてバイクをカスタマイズすることです。ここでは、多くのライダーが最初に行う定番のカスタムをご紹介します。
転倒からバイクを守る「防御系カスタム」
林道走行では転倒がつきものです。大きなダメージを防ぐため、まずはバイクを守るパーツを取り付けましょう。
ハンドガード: レバーや手を木の枝や転倒から守る最も基本的なパーツです。
アンダーガード(スキッドプレート): エンジン下部に装着し、岩や丸太にヒットした際のクランクケースの破損を防ぎます。
フレームガード: ライディングブーツによるフレームの塗装剥がれや傷を防ぎます。
もっと遠くへ!「ツーリング快適カスタム」
林道ツーリングやキャンプツーリングを楽しむなら、積載性と快適性を向上させるカスタムがおすすめです。
リアキャリア: バッグや荷物を積載するための必需品です。車種専用設計のものが多く、ホンダ CRF250Lやカワサキ KLX230 Sなど、人気モデルには各社から豊富なラインナップが用意されています。
ETC車載器/スマートフォンホルダー: 高速道路を利用した長距離移動や、地図アプリの活用に欠かせない現代のツーリングの必需品です。
ハイシート/ワイドステップ: 体格に合わせてポジションを最適化し、長距離走行時の疲労を軽減します。
走りを変える!「パフォーマンス系カスタム」
より本格的にオフロード走行を楽しみたいなら、足回りのカスタムが効果的です。
オフロードタイヤ: 純正装着されているタイヤよりもブロックパターンが大きいオフロードタイヤに交換するだけで、ダートでのグリップ力が劇的に向上します。
スプロケット交換: ドリブン(リア)スプロケットの歯数を増やすことで、より低速での力強さが増し、急な登り坂などで扱いやすくなります。
必要な装備一式|予算別のコーディネート提案

オフロードライディングは、舗装路とは異なり、転倒のリスクが常に伴います。だからこそ、バイク本体と同じくらい重要になるのが、ライダーの体を守るための専用装備です。公道用の装備でも代用できるものはありますが、木の枝への引っかかりや、泥、飛び石、そして転倒時の衝撃などを想定して作られた専用品は、安全性と快適性が格段に違います。
まずは、安全にオフロードを楽しむために最低限揃えたい必須装備を確認しましょう。
オフロードヘルメット: チンガード(顎)部分が前に突き出ており、激しい運動でも呼吸がしやすいのが特徴です。 また、ゴーグルと併用することを前提に設計されており、広い視界を確保しつつ、泥や飛び石から目を守ります。
ゴーグル: ヘルメットのシールドの役割を果たし、土埃や虫、木の枝などから目を保護します。天候に合わせてレンズの色を交換できるモデルもあります。
オフロードブーツ: 足首をガッチリと固定し、転倒時の捻挫や骨折のリスクを大幅に軽減する、最も重要な装備の一つです。 硬いソールは不整地でもバイクをしっかりと支え、木の根や岩から足を守るプロテクション性能も備えています。
プロテクター: 転倒時に衝撃を受けやすい、膝、肘、胸、背中などを守ります。ウェアの下に装着するインナータイプと、上から着るアウタータイプがあります。
オフロードウェア(ジャージ&パンツ): 伸縮性や通気性に優れ、ライディングの動きを妨げないように作られています。耐久性の高い生地が使われており、転倒時の擦過傷から肌を守ります。
グローブ: ハンドルを確実にグリップし、繊細な操作をサポートするだけでなく、転倒時に手のひらを守る重要な役割があります。
これらの装備を、予算に合わせて賢くコーディネートするプランを3つ提案します。
【お試し5万円コース】安全最優先!まずは林道デビュー
まずはオフロードを体験してみたい、という方向けのコストを抑えたプランです。安全に直結するヘルメットとブーツ、プロテクター類を優先的に揃えましょう。
| 装備アイテム | 予算目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ヘルメット | 20,000円 | 国内メーカーのエントリーモデルでも安全性は十分です。 |
| オフロードブーツ | 20,000円 | 型落ちモデルのセール品や、状態の良い中古品を探すのがおすすめです。 |
| ニーシンガード | 5,000円 | 膝とすねを保護する一体型。必須のプロテクターです。 |
| エルボーガード | 3,000円 | 肘を保護します。比較的安価に手に入ります。 |
| グローブ | 2,000円 | オフロード用のエントリーモデルを選びましょう。 |
| 合計 | 50,000円 |
このプランでは、ウェアは手持ちの丈夫な長袖シャツや、厚手の作業用ズボンなどで代用します。まずはこの装備で、比較的走りやすい林道からオフロードの世界に足を踏み入れてみましょう。
【満足10万円コース】快適性もプラス!本格スタートプラン
本格的にオフロード走行を趣味として始めたい方向けの、安全性と快適性を両立した標準的なプランです。専用ウェアを揃えることで、ライディングの集中力も高まります。
| 装備アイテム | 予算目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ヘルメット | 25,000円 | 人気ブランドのエントリーモデル。デザインや機能も豊富です。 |
| オフロードブーツ | 35,000円 | 新品のエントリーモデル。足首の動かしやすさと保護性能のバランスが良いものを選びましょう。 |
| チェストプロテクター | 10,000円 | 胸部と背骨を守ります。インナータイプが動きやすくおすすめです。 |
| ニーシンガード | 5,000円 | |
| エルボーガード | 3,000円 | |
| オフロードウェア上下 | 20,000円 | エントリーグレードのジャージとパンツ。速乾性や運動性が格段に向上します。 |
| グローブ | 2,000円 | |
| 合計 | 100,000円 |
この装備なら、林道ツーリングはもちろん、少し難易度の高いコースやエンデューロイベントへの参加も視野に入ってきます。バイクとの一体感も増し、より深くオフロードライディングを楽しめるでしょう。
【こだわり20万円コース】安全性と所有欲を満たす上級プラン
レースへの出場や、よりハードな環境でのライディングも楽しみたい方向けの、プロテクション性能と快適性を最大限に高めたプランです。ハイエンドモデルは、軽量さやフィット感も格別です。
| 装備アイテム | 予算目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ヘルメット | 50,000円 | トップライダーも使用するハイエンドモデル。軽量性と安全性を両立しています。 |
| オフロードブーツ | 60,000円 | プロテクション性能に優れたミドル〜ハイエンドモデル。足首の動きをサポートするヒンジ付きなどが人気です。 |
| ニーブレース | 50,000円 | 膝の靭帯を守ることに特化した高性能プロテクター。転倒時のひねりから膝関節を保護します。 |
| ボディプロテクター | 20,000円 | 胸・背中・肩・肘を一体で保護。高いフィット感と安心感が得られます。 |
| オフロードウェア上下 | 30,000円 | ストレッチ素材やベンチレーションを多用した高機能モデル。長時間のライディングでも快適です。 |
| グローブ | 5,000円 | プロテクション機能が高いモデルや、繊細な操作を可能にする薄手のモデルなど、好みに合わせて選びましょう。 |
| 合計 | 215,000円 |
初期投資は大きくなりますが、一度揃えれば長期間にわたって最高のパフォーマンスと安全性を提供してくれます。お気に入りのブランドで統一するなど、スタイルにこだわる楽しみ方もできるでしょう。
人気モデルの定番カスタム事例

オフロードバイクのカスタムは、見た目のドレスアップだけでなく、ライダーの用途や体格に合わせてバイクを最適化し、安全性や走破性を高める実用的な目的で行われることが多いのが特徴です。ここでは、多くのライダーが最初に取り組む定番のカスタム事例をいくつか紹介します。
林道走行の必需品「守りのカスタム」
未舗装路では、転倒や飛び石、木の枝など、オンロードでは想定されないリスクからバイクとライダーを守るパーツが必須となります。
アンダーガード(スキッドプレート): エンジン下部を路面の岩や切り株から守る最も重要なパーツです。特にCRF250LやKLX230 Sなどで本格的な林道走行を楽しむなら、真っ先に装着したいアイテムと言えるでしょう。
ハンドガード: 転倒時にブレーキレバーやクラッチレバーが折れるのを防ぎます。また、林道で木の枝が手に当たったり、前走車が跳ね上げた石から拳を守ったりする役割も果たします。
ツーリングの可能性を広げる「積載カスタム」
キャンプツーリングや長距離の冒険に出かけるなら、積載性の向上は欠かせません。
リアキャリア: シート後方に取り付ける荷台です。これがあるだけでキャンプ道具や雨具などを積んだツーリングバッグを安定して固定できます。CRF250 RALLYやV-Strom 250SXといったアドベンチャーモデルの長所を、さらに伸ばすための定番カスタムです。
サイドバッグサポート: マフラーの熱やタイヤへの巻き込みからサイドバッグを守るためのパーツ。リアキャリアと組み合わせることで、重心を低く抑えたまま積載量を大幅にアップさせることができます。
走りを変える「パフォーマンスカスタム」
よりオフロードでの走りを楽しむために、バイクの性能を引き出すカスタムも人気です。
タイヤ交換: 最も走行性能に影響を与えるカスタムです。多くのトレールバイクはオンロード走行も考慮したタイヤを標準装備していますが、これをよりブロックの大きいオフロード向けタイヤに交換するだけで、ダートでのグリップ力が劇的に向上します。
ステップのワイド化: オフロードで多用するスタンディング(立ち乗り)走行時に、足元が安定し、車体をコントロールしやすくなります。特に、かつての名車セロー250のオーナーなどが、トライアル的な走りを楽しむために好んで行うカスタムの一つです。
スプロケット交換: エンジンから後輪へ力を伝える歯車の歯数を変更することで、加速重視か最高速重視かといったバイクのキャラクターを調整できます。林道のアタックなどを楽しみたい場合、より低速で力強くなるようにセッティングするのが一般的です。
250ccオフロードバイクに関するよくある質問

はい、あります。シート高のスペックが低いモデルや、車体がスリムで足つき性に配慮されたモデルがおすすめです。
絶対的な足つきの良さで伝説的な人気を誇るのが、生産終了モデルのヤマハ「セロー250」や、さらにコンパクトな「トリッカー」、ホンダの「XR230」などです。これらは中古市場で探すことになります。
現行モデルでは、カワサキの「KLX230 S」がシート高を抑えた設定になっています。また、ホンダの「CRF250L」や「CRF250 RALLY」には、標準モデルよりシート高を低くした「s」タイプがラインナップされており、足つきに不安がある方でも安心して選ぶことができます。
ただし、カタログスペックだけでなく、実際に跨った際のサスペンションの沈み込みによっても印象は変わるため、販売店で実車を確認することをおすすめします。
Q2. 生産が終了した「セロー250」の中古車を購入する際の注意点は何ですか?
長年にわたり製造された人気モデルのため、個体の状態をしっかり見極めることが重要です。特にオフロード走行で使われていた車両は、フレーム下部やエンジンケースに大きな傷や凹みがないか確認しましょう。
また、サスペンションからのオイル漏れや、ハンドル操作に影響するステムベアリングのガタは、修理に高額な費用がかかる場合があるため、特に注意が必要です。年式としては、始動性が良く扱いやすい2008年以降のフューエルインジェクション(FI)モデルが、初心者の方には特におすすめです。
詳しくは本記事の「失敗しないオフロード中古車の見極め方」のセクションも参考に、信頼できる販売店で購入するのが最も安心な方法です。
Q3. KTMやハスクバーナのような外車の競技用モデルで公道を走れますか?
モデルによりますが、公道走行は可能です。KTMの「EXC-F」シリーズやハスクバーナの「FE」シリーズといったエンデューロレーサーは、ヘッドライトやウインカーなどの保安部品が標準で装備されており、ナンバープレートを取得して公道を走行することができます。
ただし、これらのバイクはあくまで競技での勝利を最優先に設計されています。そのため、トレールバイクに比べて乗り心地はハードで、頻繁なオイル交換など、シビアなメンテナンスが求められます。街乗りやツーリングでの快適性や維持費を重視する場合は、CRF250LやKLX230 Sといった国内のトレールバイクの方が適していると言えるでしょう。
Q4. オフロードバイクは転倒するとすぐに壊れてしまいますか?
オフロードバイクは、ある程度の転倒を前提に設計されているため、オンロードバイクと比較して壊れにくいと言えます。ハンドルレバーやステップが衝撃を逃がすように可倒式になっていたり、カウル類も柔軟性のある樹脂パーツでできていたりと、ダメージを最小限に抑える工夫がされています。
しかし、打ちどころが悪ければレバー類が折れたり、ラジエーターが損傷したりするリスクは当然あります。そのため、多くのライダーはエンジン下部を守る「アンダーガード」や、レバーと手を守る「ハンドガード」といった保護パーツを追加で装着しています。
転倒はオフロードライディングの一部と捉え、バイクの損傷リスクを理解するとともに、ライダー自身を守るためのプロテクターをしっかりと装備することが何よりも大切です。
Q. 身長が低い(160cm台)場合に乗れるモデルはありますか?

はい、160cm台の方でも安心して楽しめるモデルは多数あります。オフロードバイクはサスペンションが長くシート高が高めの傾向にありますが、足つき性に配慮されたモデルを選ぶのがポイントです。
特に、生産終了後も絶大な人気を誇るヤマハの「セロー250」は、その圧倒的な足つきの良さで多くのライダーに支持されてきました。 同様に「トリッカー」やホンダの「XR230」、カワサキの「スーパーシェルパ」なども、軽量コンパクトで足つき性に優れたモデルとして知られています。
現行モデルで探すなら、標準でローダウン仕様が設定されているモデルがおすすめです。ホンダの「CRF250L<s>」やカワサキの「KLX230 S」は、ノーマルモデルよりもシート高が抑えられており、足つきの不安を大きく軽減してくれます。
ただし、足つき性はシート高の数値だけでなく、車体のスリムさやサスペンションの沈み込みによっても体感が変わります。気になるモデルが見つかったら、ぜひ一度販売店で実際に跨ってみることをお勧めします。各モデルの詳しい特徴については、本記事のランキング解説も参考にしてください。
Q. 生産終了したセロー250を中古で買う際の注意点は?

生産終了後も絶大な人気を誇るセロー250は中古市場でも人気車種ですが、購入時にはいくつか注意したいポイントがあります。オフロードバイクは転倒によるダメージが蓄積しやすいため、一般的な中古車選びのポイントに加えて、セローならではのチェック項目を確認することが大切です。
まず、エンジン周りでは、特に初期のモデルで報告されることがある「カムチェーンテンショナー」からの異音に注意しましょう。エンジン始動時やアイドリング中に「カチカチ」といった異音が聞こえる場合は、部品の劣化が進んでいる可能性があります。
次に、オフロード走行によるダメージが出やすいフレームや足回りのチェックは必須です。ハンドルを左右に切った際に当たる「ハンドルストッパー」部分に大きな傷や歪みがないか、サスペンションからオイルが漏れていないか、ホイールのスポークに緩みがないかは入念に確認してください。セローは「二輪二足」で岩場などを越えることも多いため、エンジン下部やスイングアームに大きな打痕や傷がないかも見ておくと、そのバイクがどのように扱われてきたかを推測するヒントになります。
また、年式による違いも把握しておくと良いでしょう。2008年モデルから燃料供給方式がキャブレターからフューエルインジェクション(FI)に変更されており、始動性や扱いやすさが向上しています。さらに2018年以降のモデルでは、排ガス規制対応のためにO2センサーが追加され、燃費性能などが改善されました。
これらのポイントに加え、可能であれば整備記録がしっかりと残っている車両を選ぶと、購入後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
Q. 競技用モデル(エンデューロレーサー)で公道を走れますか?

原則として、エンデューロレーサーのような競技用モデルは、購入したそのままの状態で公道を走ることはできません。公道走行には、道路運送車両法で定められた保安部品(ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、ミラー、スピードメーターなど)の装着が義務付けられていますが、レースでの性能を最優先する競技用モデルには、これらの部品が装備されていないか、非常に簡素なものしか付いていないためです。
ただし、モデルによっては、購入時に保安部品が付属しており、それらを装着してナンバー登録をすることで公道走行が可能になる場合があります。例えば、KTMの「EXC-F」シリーズやハスクバーナの「FE」シリーズといった一部の外車エンデューロレーサーは、ナンバーを取得して公道を走り、林道やレースコースまで自走することを想定して設計されています。
しかし、これらのモデルはあくまで競技での使用を主眼に置いているため、一般的な公道モデル(トレールバイク)に比べて乗り心地がハードであったり、メンテナンスサイクルが短かったりする点には注意が必要です。購入を検討する際は、そのモデルがナンバー登録可能かどうかを販売店に必ず確認しましょう。
Q. 林道で転倒した場合のバイクの損傷は?

林道での転倒は、オフロードライディングを楽しむ上である程度は避けられないものです。しかし、オフロードバイクは転倒を前提に設計されているため、アスファルト上での転倒に比べて致命的なダメージを受けることは比較的少ないと言えます。路面が土や砂利であるため、衝撃が吸収されやすいのも理由の一つです。
とはいえ、損傷が全くないわけではありません。転倒の状況によってダメージは異なりますが、一般的に損傷しやすい箇所は以下の通りです。
軽微な損傷(傷や曲がり):
レバー類: ブレーキレバーやクラッチレバーの先端が曲がったり、傷ついたりするのは最も多いケースです。
ハンドル・ステップ: ハンドルが少しねじれてしまったり、ステップがわずかに曲がったりすることがあります。
外装パーツ: シュラウド(エンジン横のカバー)やフェンダー、マフラーなどに擦り傷がつくことは日常茶飯事です。これらはオフロードバイクの「勲章」と考えるライダーも少なくありません。
走行に支障が出る可能性のある損傷:
レバー類の折れ: 運悪く角度が悪いと、レバーが根元から折れてしまうことがあります。クラッチレバーが折れると自走が困難になる場合があります。
ラジエーターの損傷: CRF250Lのような水冷エンジンを搭載したモデルの場合、転倒時にラジエーターを破損すると冷却水が漏れ、オーバーヒートの原因となります。
ウインカーやミラーの破損: 突起しているパーツのため、破損しやすい部分です。
致命的なフレームの歪みやエンジン本体の破損といった重度の損傷は、よほど激しい転倒や岩場などでの強打がない限りは稀です。
こうした損傷リスクを軽減するためには、ハンドガードやアンダーガードといった保護パーツの装着が非常に効果的です。転倒を過度に恐れる必要はありませんが、最低限の備えをしておくことで、より安心して林道ツーリングを楽しむことができるでしょう。
まとめ|最適な250ccオフロードバイクで新しいバイクライフを

250ccオフロードバイクの選び方から、初心者におすすめのモデル、ベテランライダーも納得の個性的な一台まで、様々な角度から紹介してきました。
この記事を通して、あなたにぴったりの一台を見つけるためのヒントは得られたでしょうか。大切なのは、林道ツーリングや街乗りといった「バイクで何をしたいか」を明確にし、スペックの数値だけでなく、ご自身の身長や体力に合った「足つき」や「軽さ」を重視することです。
現行モデルのホンダ CRF250Lやカワサキ KLX230 Sから、今なお絶大な人気を誇るヤマハ セロー250のような生産終了の名車まで、あなたのバイクライフを最高に輝かせる選択肢は豊富に存在します。
もし気になるモデルが見つかったなら、次のステップは実際にバイクショップへ足を運び、実車に触れてみることです。カタログだけでは伝わらない車体のスリムさや、シートに跨った時の感覚こそが、最高の相棒を見つけるための最後の決め手となるでしょう。
さあ、あなただけの一台を見つけて、今まで知らなかった道へ、新しい冒険へと走り出してください。