「本格的なニーブレースが欲しいけど、種類が多すぎて選べない…」
「十数万円もする買い物だから、絶対に失敗したくない…」
そんな悩みを抱えていませんか?ニーブレース選びで最も多い失敗は、高価なモデルを選んだのにフィットせず、いざという時に膝を守れないケースです。
そこでこの記事では、国内外17モデルの比較や医学データ、ベテランの失敗談まで徹底分析。単なる商品紹介ではなく、科学的根拠に基づいた「後悔しない選び方の7つの鉄則」を網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたは無数の選択肢の中から、自分のレベルと予算に完璧に合った最高の”相棒”を見つけ出せます。
結論は、「正しいサイズ計測によるフィット感」と「用途に合ったモデル選定」です。膝の不安から解放され、ライディングに100%集中するための最適な一本を、この記事で見つけてください。
なぜ必要?オフロードバイク用ニーブレースの役割と効果

オフロードバイクで膝を守る装備には、主に「ニーシンガード」と「ニーブレース」の2種類が存在します。ニーシンガードが転倒時の打撃から膝とすねを守ることを主な目的としているのに対し、ニーブレースはそれに加えて、関節が本来動く範囲を超えてしまうことや、異常な方向へねじれてしまうことを防ぐ役割を担っています。
オフロードライディングでは、たとえ低速であっても転倒時に足が地面に引っかかり、膝の靭帯を損傷するリスクが常に伴います。 ある調査によれば、ニーブレースを装着していないライダーは、装着しているライダーに比べて膝全体の怪我をする確率が約2.3倍高く、特に前十字靭帯(ACL)の損傷リスクは約2.1倍、内側側副靭帯(MCL)に至っては約7.1倍にもなるというデータが報告されています。
ニーブレースの最も重要な機能の一つが、膝が逆方向に関節が曲がってしまう「過伸展」を防ぐことです。 過伸展は靭帯に深刻なダメージを与える原因となります。 頑丈なフレームとヒンジ構造を持つニーブレースは、このような膝への過剰な負荷を物理的に抑制します。
ただし、ニーブレースは全ての怪我を防ぐ万能な装備ではありません。特に、バイクの操作や転倒時に発生しやすい「回旋(ねじれ)ストレス」に対する保護効果は限定的である可能性も指摘されています。
しかし、怪我のリスクを大幅に軽減できることは、ライダーに大きな安心感をもたらします。膝の不安が解消されることで、よりライディングに集中できるようになり、結果的にパフォーマンスの向上にも繋がるでしょう。
ニーブレースとニーシンガードの決定的な違い

オフロードバイクに乗る際、膝を守るプロテクターとして「ニーブレース」と「ニーシンガード」の2つがよく挙げられますが、両者は似ているようでその目的と構造が全く異なります。
一言で違いを言うなら、保護する対象が異なります。
ニーシンガード: 外部からの「打撃」や「衝撃」から膝と脛を守る
ニーブレース: 関節が異常な方向に曲がる「過伸展」や「捻れ」から靭帯などを守る
ニーシンガードは、主にプラスチック製のカップで膝の皿と脛を覆う、いわば「盾」のようなものです。転倒時に膝を地面に打ち付けたり、飛び石が当たったりした際の衝撃を吸収・分散させることを目的としています。
一方、ニーブレースは、大腿骨と脛骨をカーボンや金属などの頑丈なフレームで連結し、膝関節の側面に配置されたヒンジ(蝶番)によって、関節の動きを制御します。これにより、転倒時に足が地面に引っかかったまま体が前に投げ出されるような、膝が本来曲がってはいけない方向へ強制的に曲げられてしまう事態を防ぎ、前十字靭帯(ACL)などの深刻な損傷リスクを大幅に軽減する役割を果たします。
つまり、打撲や切り傷を防ぐのがニーシンガード、長期的なリハビリや手術が必要になることもある靭帯損傷を防ぐのがニーブレース、と考えると分かりやすいでしょう。ライディングのレベルが上がり、より高い速度域や複雑な地形に挑戦するようになると、後者のような関節レベルでの怪我のリスクが格段に高まるため、ニーブレースの重要性が増してくるのです。
データで見るオフロード走行における膝の怪我のリスク

オフロード走行は、膝に大きな負担がかかるスポーツです。ジャンプの着地、コーナリング、不意の転倒など、様々な場面で膝を痛めるリスクが潜んでいます。
ある大規模な疫学調査によると、オフロードバイクライダーが膝を負傷する頻度は、ブレースを装着していない場合、走行1000時間あたり3.675件にものぼります。 これは、週末に4時間走行するライダーであれば、約5年半に1回は膝を怪我する計算になります。
膝の怪我の中でも特に深刻なのが、前十字靭帯(ACL)の損傷です。膝の怪我全体のうち、前十字靭帯損傷が42.7%、次いで半月板損傷が20.22%を占めるというデータもあります。 前十字靭帯を損傷すると、多くの場合、手術と数ヶ月にわたる長いリハビリが必要となり、仕事や日常生活にも大きな支障をきたしかねません。
こうした深刻な怪我は、単純な打撲から膝を守るニーシンガードだけでは防ぐことが困難です。なぜなら、靭帯損傷の多くは、転倒時に足が地面に引っかかったまま体がねじれるなど、膝が本来動くべきではない方向に強制的に曲げられたり、過度に伸ばされたり(過伸展)することで発生するためです。
研究によれば、予防的にニーブレースを着用することで、膝全体の怪我の発生率を有意に下げることが示されています。 具体的には、前十字靭帯の損傷を50%、内側側副靭帯(MCL)の損傷を700%減少させたという報告もあります。
ただし、ニーブレースは万能ではありません。膝がねじれる動き(回旋ストレス)に対する保護効果は、過伸展などに比べると限定的である可能性も指摘されています。 それでも、深刻な靭帯損傷のリスクを大幅に軽減できることは、データが示している事実です。
ニーブレースの科学的根拠|効果と知っておくべき限界

オフロードライディングは、膝に大きな負担がかかるスポーツです。 実際、ある調査ではモトクロスによる負傷の約42.4%が膝の靭帯損傷であったという報告もあります。 このようなリスクから膝を守るために開発されたのがニーブレースですが、その効果は科学的にどこまで証明されているのでしょうか。
ニーブレースの主な役割は、強固なフレームとヒンジ(蝶番)によって、膝関節が異常な方向に曲がるのを物理的に抑制することです。特に、膝が本来曲がる方向とは逆に反ってしまう「過伸展」や、側面からの強い衝撃によって靭帯が伸びてしまう動きに対して、高い保護効果を発揮することが複数の研究で示唆されています。 これにより、前十字靭帯(ACL)や内側側副靭帯(MCL)といった、重大な損傷につながりやすい部分を保護する効果が期待できます。
しかし、ニーブレースは万能ではありません。モトクロスで靭帯を損傷する最も多い原因の一つに、足が地面やステップに引っかかったまま上半身がねじられることで発生する「回旋ストレス」があります。 このようなねじれの動きに対しては、ニーブレースの保護効果は限定的である可能性が指摘されています。
したがって、ニーブレースを装着すれば全ての怪我を100%防げるわけではないという点は理解しておく必要があります。それでも、特定の方向からの強い衝撃や過伸展といった、深刻な膝の怪我につながるリスクを大幅に軽減できることは、多くの研究や実際の事故事例から期待される科学的根拠のある効果と言えるでしょう。
後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方

鉄則1【最重要】フィット感を左右する正しいサイズ計測

ニーブレース選びにおいて、数ある選択肢の中から自分に最適な一本を見つけるための最も重要な鉄則、それは「正確なサイズ計測」です。どれほど高性能なモデルであっても、サイズが身体に合っていなければ、その保護性能は半減してしまいます。
サイズが合わないニーブレースは、走行中の振動や動きで簡単にズレてしまい、本来守るべき膝関節の位置から外れてしまいます。これでは、いざという時に全く意味をなしません。それだけでなく、ズレを気にしてライディングに集中できなかったり、フレームが肌に食い込んで痛みや擦れの原因になったりと、多くのデメリットを生み出します。
サイズ計測は、製品の効果を最大限に引き出し、高価な買い物を失敗に終わらせないための、最初の、そして最も重要なステップなのです。
計測方法はメーカーによって若干異なりますが、一般的には以下の2点を測ることが多いです。
太ももの周囲径: 膝のお皿の中心から、太もも側へ15cm上がった位置の周囲
ふくらはぎの周囲径: 膝のお皿の中心から、ふくらはぎ側へ15cm下がった位置の周囲
計測する際は、必ず柔らかいメジャー(巻尺)を使用し、脚の力を抜いてリラックスした状態で測りましょう。メジャーが斜めにならないよう、地面と水平に巻くのが正確に測るコツです。
計測した数値を基に、購入を検討しているブランドのサイズチャートと照らし合わせ、自分に適合するサイズを選び出してください。この一手間を惜しまないことが、後悔しないニーブレース選びの絶対条件と言えるでしょう。
鉄則2【素材】カーボンやグラスファイバー等の違いを理解する

ニーブレースの心臓部であるフレームの素材は、保護性能、重量、そして価格を決定づける重要な要素です。主に「カーボンファイバー」「グラスファイバー」「アルミニウム」が使われており、それぞれの特性を理解することが、自分に合ったモデルを選ぶ近道になります。
カーボンファイバー|軽さと強度の最高峰
レースシーンなど、最高のパフォーマンスを求めるライダーに選ばれるのがカーボンファイバーです。 何よりの特徴はその軽さと高い剛性(硬さ)にあります。 軽量なニーブレースは長時間のライディングでも疲れにくく、ライダーの集中力を維持するのに貢献します。また、非常に高い強度を持つため、転倒時の強い衝撃から膝を確実に保護する性能に優れています。一方で、素材自体が高価であるため、製品価格も高くなる傾向があります。
グラスファイバー|性能と価格の好バランス
多くのスタンダードモデルで採用されているのがグラスファイバーです。 カーボンファイバーに近い保護性能を持ちながら、価格を抑えられる点が最大のメリットと言えるでしょう。 カーボンよりは若干重量がありますが、それでも十分な軽量性を備えており、コストパフォーマンスに優れた選択肢として幅広いライダーに支持されています。
アルミニウム・その他|耐久性と独自性
一部のモデルでは、航空機グレードのアルミニウムがフレーム素材として使われています。アルミニウムは衝撃によって割れるのではなく、曲がることで力を逃がす特性があり、高い耐久性を持ちます。また、ブランドによっては樹脂と組み合わせた複合素材や、独自の素材を採用することで、特定の機能(フィット感や柔軟性など)を追求したモデルも存在します。
自分のライディングスタイルや予算を考慮し、どの素材の特性が最も自分に合っているかを見極めることが、後悔しないニーブレース選びの第一歩となるでしょう。
鉄則3【構造】フレーム形状とヒンジ性能の見極め方

ニーブレースの心臓部ともいえるのが、プロテクション性能と動きやすさを両立させるための「フレーム」と「ヒンジ(蝶番)」です。これらの構造を理解することが、自分に最適なモデルを見つける近道となります。
フレームはニーブレースの骨格であり、その形状によってフィット感やバイクの操作性が大きく変わります。多くのモデルは左右対称の形状をしていますが、近年ではよりフィット感とニーグリップのしやすさを追求した左右非対称フレームが増えています。これは、バイクに接する内側を薄く、転倒時に衝撃を受けやすい外側を強固にするなど、部位に応じて設計を変えることで、保護性能を維持しつつマシンとの一体感を高める工夫です。
さらに、片側支持(シングルヒンジ)フレームという特殊な構造を持つモデルも存在します。 これは、バイクをニーグリップする内側のフレームをなくすことで、よりダイレクトで自然なホールド感を得られるように設計されています。
一方、ヒンジは膝の動きを司る「関節」の役割を担います。優れたヒンジは、膝の自然な屈伸運動を妨げることなく、逆方向への過伸展や横方向へのねじれといった異常な動きだけを的確に抑制します。
ヒンジ性能を見極めるポイントは、動きの滑らかさと可動域の調整機能です。ハイエンドモデルになるほど、人体の複雑な関節の動きを模倣した精巧なヒンジ機構が採用されており、装着していることを忘れるほどスムーズな動きを可能にします。 また、過伸展を防止する角度を調整できる機能があれば、個人の膝の状態や好みに合わせたセッティングが可能です。耐久性の高い金属製ギアを採用したヒンジもあり、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
鉄則4【用途】ライディングスタイルとレベルで絞り込む

オフロードバイクの楽しみ方は、モトクロスコースでのレース、険しい山道を走破するエンデューロ、あるいは景色の良い林道ツーリングなど多岐にわたります。あなたの主な用途と現在のライディングレベルによって、ニーブレースに求めるべき性能の優先順位は大きく変わってきます。
レースやモトクロスが主戦場の上級者
ジャンプの着地や高速コーナーなど、膝に最大級の負荷がかかる場面が多いモトクロスでは、何よりもまず最高の保護性能とフレーム剛性が求められます。わずかな操作の遅れが勝敗を分けるため、軽量で体の動きに俊敏に追従するフィット感も不可欠です。予算よりも性能を最優先し、カーボン素材などを採用したハイエンドモデルが主な選択肢となるでしょう。
エンデューロやクロスカントリーを楽しむ中級者
数時間にわたって走り続けるエンデューロでは、高い保護性能はもちろんのこと、長時間の装着でも疲れにくい軽量性と、バイクの乗り降りや押し引きのしやすさに繋がる動きやすさが重要になります。また、転倒や木のヒットも多いため、耐久性も無視できません。保護性能と快適性、耐久性のバランスが取れたスタンダードモデルが最適です。
林道ツーリングがメインの初心者・入門者
比較的走行ペースが緩やかな林道ツーリングでも、不意の転倒による膝の怪我のリスクは常に存在します。とはいえ、レースモデルほどの絶対的な剛性は必要ないかもしれません。まずは基本的な保護性能を確保しつつ、装着のしやすさや快適性、そしてコストパフォーマンスを重視して選ぶのが合理的です。ニーブレースに慣れるという意味でも、エントリーモデルから試してみるのが良いでしょう。
自分のライディングスタイルを客観的に見極め、どのレベルの保護性能が必要かを考えることが、無数にある製品の中から最適な一つを絞り込むための重要なステップです。
鉄則5【価格】予算と価格帯ごとの性能差を知る

ニーブレースの価格は、数万円で手に入るものから十数万円もするハイエンドモデルまで幅広く、その価格差は性能と直結しています。予算を決めるためにも、まずは価格帯ごとの一般的な性能の違いを把握しておきましょう。
5万円前後|エントリーモデル
この価格帯では、フレーム素材にグラスファイバー強化ナイロンなどが使われることが多く、基本的な保護性能を備えています。上位モデルと比較すると、重量があったり、フィット感の調整機能がシンプルだったりする傾向がありますが、「まずはニーブレースを試してみたい」という初心者や、サンデーライダーにとっては十分な選択肢となるでしょう。
10万円前後|スタンダードモデル
最も選択肢が豊富で、多くのライダーにとってコストパフォーマンスのバランスが取れているのがこの価格帯です。フレーム素材にはカーボンコンポジット(複合材)や高品質なグラスファイバーが採用され、保護性能と軽量性の両立が図られています。ヒンジの動きもスムーズになり、より自然な装着感でライディングに集中できるモデルが増えてきます。エンデューロやモトクロスのコース走行を本格的に楽しむなら、この価格帯から検討するのがおすすめです。
15万円前後|ハイエンドモデル
レースでの使用を想定した最上位モデルです。フレームには軽量かつ高剛性な鍛造カーボンやドライカーボンが採用され、圧倒的な軽さと強度を誇ります。人体の膝関節の動きを忠実に再現する高性能なヒンジや、ケーブルシステムなどでフィット感を細かく調整できる機能が搭載されているのも特徴です。最高の安心感とパフォーマンスを求めるシリアスなライダー向けの選択肢と言えます。
鉄則6【ブランド】主要メーカー6社の設計思想と特徴

オフロードバイク用のニーブレースは、国内外の様々なメーカーからリリースされており、それぞれに独自の設計思想や強みがあります。ここでは、代表的な6つのブランドの特徴を解説します。どのブランドが自分のライディングスタイルや価値観に合うか、考えてみましょう。
POD(ポッド)|人体の動きを再現するヒンジ
PODの最大の特徴は、人体の膝関節が持つ複雑な動きを再現するために開発された独自のヒンジ機構「ヒューマンモーショントリガメントヒンジ」にあります。 この技術により、まるで体の一部であるかのような自然なフィット感と動きやすさを実現しています。プロテクション性能はもちろんのこと、「いかに違和感なく装着できるか」を重視するライダーから高い支持を得ています。スペアパーツが豊富に用意されており、メンテナンスしながら長く使える点も魅力です。
Leatt(リアット)|医療的観点から生まれた独自の保護思想
ネックブレースの開発で知られるLeattは、医療的・科学的アプローチを製品開発に取り入れているブランドです。その思想はニーブレースにも貫かれており、バイクをニーグリップする内側の感触を重視した片側フレームの「C-フレーム」構造など、ユニークな製品を多く生み出しています。 快適性とプロテクション性能の両立を目指し、インジェクションカーボンといった先進的な素材を積極的に採用しているのも特徴です。
Asterisk(アスタリスク)|フィット感を追求する老舗ブランド
ニーブレースの老舗ブランドとして、長年の経験と実績に裏打ちされた高い信頼性が魅力です。 立体的な動きを可能にするヒンジシステムや、ミリタリースペックのカーボンファイバーを採用するなど、プロテクション性能への強いこだわりを持っています。 また、ダイヤルを回すことでフィット感を細かく調整できる「Boaシステム」をいち早く採用するなど、常にライダーの快適性とフィット感を追求し続けています。
Mobius(メビウス)|ケーブルシステムがもたらす究極のホールド感
手首のブレースで有名なMobiusは、その独自技術をニーブレースにも応用しています。「CCRS (Continuous Cable Routing System)」と呼ばれる、フレームを8の字に這うように配置されたワイヤーケーブルをダイヤルで締め上げるシステムが最大の特徴です。 これにより、膝関節全体を均一な力で包み込むようにホールドし、従来のストラップ式では得られない高い一体感と安定性を発揮します。
Alpinestars(アルパインスターズ)|人間工学に基づく軽量・高剛性設計
モータースポーツ界のトップブランドであるAlpinestarsは、人間工学に基づいた設計でライダーのパフォーマンスを最大限に引き出すことを得意としています。ニーブレースにおいても、カーボンコンポジットなどの軽量・高剛性な素材を積極的に採用。 ライダーの激しい動きの中でもズレにくく、かつ動きを妨げないストラップシステムなど、レースシーンで培われたノウハウが随所に盛り込まれています。
EVS(イーヴィーエス)|オフロード専用ブレースのパイオニア
業界で初めてオフロードバイク専用のニーブレースを開発したパイオニア的存在です。 長年の歴史の中で培われたノウハウを活かし、膝の自然な動きを模倣するヒンジ機構や、確実なフィット感を生むバックルシステムなど、信頼性の高い技術が特徴です。 エントリーモデルからプロ用のハイエンドモデルまで、幅広いライダーのニーズに応える豊富なラインナップを展開しています。
鉄則7【治療目的】医療用装具としての可能性と保険適用

オフロードバイク用のニーブレースは、本来、膝の怪我予防を目的としたプロテクターですが、特定の条件下では治療を目的とした「医療用装具」として扱われ、健康保険が適用される可能性があります。
これは、単に「膝が不安だから」という理由ではなく、既に発生した靭帯損傷などの怪我の治療や、手術後の再発防止のために、医師がニーブレースの装着を必要不可欠と判断した場合に限られます。 美容目的や、一般的なスポーツ用サポーター、症状が固定した後の日常生活用のものは対象外です。
保険適用を受けるための一般的な手続きは「療養費払い」と呼ばれ、まず利用者が装具の代金を全額自己負担で支払った後、必要書類を揃えて自身が加入している健康保険組合や市町村の担当窓口に申請し、自己負担分を除いた金額の払い戻しを受けるという流れになります。
申請には、主に以下の書類が必要となります。
療養費支給申請書
医師が装具の必要性を証明する意見書や証明書
支払った代金の領収書および明細書
(場合によっては)装着する装具の写真
過去に膝を怪我した経験がある方や、現在治療中の方がニーブレースの購入を検討する場合は、自己判断で購入する前に、まずは整形外科の医師に相談し、保険適用の対象となるかを確認することをおすすめします。
レベル・目的別|おすすめのオフロードバイク用ニーブレース10選

自分のライディングレベルや主な走行シーン、そして予算に合わせて最適なニーブレースを選ぶことは、怪我のリスクを減らし、よりライディングに集中するために非常に重要です。
ここでは、数あるニーブレースの中から、目的別におすすめのモデルを10個厳選しました。「コストパフォーマンスを重視したい初心者」から「最高の性能を求める上級者」まで、カテゴリーに分けて紹介します。
【コスパ重視】エントリーモデル3選

ニーブレースの購入を検討し始めたライダーにとって、価格と性能のバランスは非常に重要です。ここでは、本格的なニーブレースの保護性能を持ちつつ、比較的手頃な価格で手に入るコストパフォーマンスに優れたエントリーモデルを3つ厳選して紹介します。
Leatt Z-FRAME ニーブレース
ネックブレースで有名なLeattが手掛けるニーブレースのエントリーモデルです。 フレームにはグラスファイバー強化ナイロンを採用し、基本的な保護性能を確保しながら価格を抑えることに成功しています。
スリムな形状が特徴で、ライディングパンツやブーツとの干渉が少なく、ニーブレースを初めて装着するライダーでも違和感を覚えにくいでしょう。 「ニーシンガードからのステップアップに最適」「5万円以下で手に入る貴重な選択肢」といった評価もあり、コストを抑えて本格的なニーブレースの世界に足を踏み入れたいライダーにとって、最適な選択肢の一つです。
| 特徴 |
|---|
| グラスファイバー強化ナイロン製のフレーム |
| スリムな形状で装備と干渉しにくい |
| コストパフォーマンスに優れる |
EVS WEB PRO ニーブレース
業界で初めてオフロード専用ニーブレースを開発したEVSのモデルです。 フレームにカーボンファイバーを採用し、軽量ながら高い剛性を実現しています。独自のクリックテックバックルシステムにより、一度調整すれば次からはワンタッチで着脱でき、確実なフィット感を得られるのが特徴です。
長年のノウハウが詰まったヒンジ部分は膝の自然な動きを妨げず、スムーズなライディングをサポートします。プロレベルの保護性能と使いやすさを両立させながら、上位モデルよりも価格が抑えられており、保護性能に妥協したくないコスパ重視のライダーにおすすめです。
| 特徴 |
|---|
| 軽量・高剛性なカーボンファイバーフレーム |
| ワンタッチで着脱可能なクリックテックバックル |
| 膝の自然な動きを模倣するヒンジ |
Alpinestars RK-7 プラズマニーブレイス
モータースポーツ界のトップブランド、アルパインスターズが開発したコストパフォーマンスに優れたモデルです。 独自のプロテクター素材「ニュークリオンプラズマ」を採用し、フローティング構造のニープロテクターを非対称の繊維強化フレームで包み込むことで、高い保護性能と動きやすさを両立させています。
コンパクトでスリムなデザインも特徴で、CE認証レベル1を取得した確かな安全性を備えています。 「銀行を壊すことなく効果的な保護を提供する」と評されることもあり、有名ブランドの信頼性と確かな安全性能を、手頃な価格で手に入れたいライダーに最適なモデルと言えるでしょう。
| 特徴 |
|---|
| 独自素材「ニュークリオンプラズマ」採用 |
| 保護性能と動きやすさを両立した非対称フレーム |
| CE認証EN 1621-1:2012 レベル1取得 |
【迷ったらコレ】定番スタンダードモデル4選

性能、価格、そしてブランドの信頼性。これらが高いレベルでバランスしているのが、定番のスタンダードモデルです。どのニーブレースにしようか本気で迷っているなら、この中から選べばまず後悔することはないでしょう。
POD K4 2.0
「POD K8」の優れた機能性と保護性能を継承しつつ、フレーム素材をグラスファイバーに変更することでお求めやすい価格を実現した、コストパフォーマンスに優れたモデルです。 鉄の5倍の強度を誇る「ベクトラン繊維」を心材に使用した独自のリガメント(人工靭帯)は、膝の自然な動きを妨げることなく、スムーズな操作を可能にします。 軽量な装着感と信頼性の高さから、幅広いレベルのライダーに支持されています。スペアパーツが豊富に用意されているため、長く愛用できる点も魅力です。
公式サイト
Mobius X8
手首ブレースで有名なMobiusが開発したニーブレースで、最大の特徴は「CCRS (Continuous Cable Routing System)」と呼ばれる独自のケーブルシステムです。 ダイヤルを回すことで、フレーム後方のケーブルが8の字を描くように膝全体を均一に締め上げ、従来のストラップ式では実現できなかった高いホールド感を生み出します。 このシステムにより、走行中のブレースのズレを効果的に抑制し、長時間のライディングでも快適なフィット感を維持します。
公式サイト
Asterisk CARBON CELL 1 (CC1)
ニーブレースのパイオニアブランドであるAsteriskが、スリムさ、軽さ、快適性を追求して開発したモデルです。 フレームには、アメリカ製のミリタリースペックおよび航空宇宙グレードのカーボンファイバーを採用しており、約454g(Mサイズ片側)という驚異的な軽さと、高い剛性を両立しています。 ブーツとブレースを連結する転倒防止テザーが付属しており、下腿のねじれを抑制する効果が期待できます。設計から製造まで一貫してMade in USAにこだわって作られています。
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Leatt X-FRAME HYBRID
インジェクションカーボンコンポジット製のフレームを採用した、Leattのハイエンドケージタイプリモデルです。 内側のヒンジをスリムに設計することで、ニーグリップ時のバイクとの一体感を向上させています。 また、内側は柔軟に、外側は剛性の高い構造とすることで、快適性と保護性能という相反する要素を両立させているのが特徴です。ヒンジには金属製のギアを使用しており、スムーズな動きと高い耐久性を実現しています。
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【最高性能】レース向けハイエンドモデル3選

レースで1秒を争うライダーや、最高の保護性能を求めるライダーに向けた、フラッグシップモデルをご紹介します。最新の素材と技術が惜しみなく投入され、軽量性、剛性、そしてフィット感のすべてを最高次元で両立させています。価格は10万円を超えるものが中心となりますが、その価格に見合うだけの絶対的な安心感とパフォーマンスを提供してくれるでしょう。
POD K8 2.0
フレーム素材に、一般的なカーボンよりもさらに高強度な鍛造カーボンを採用したPODの最上級モデルです。 人体の膝関節の動きを忠実に再現する「ヒューマンモーショントリガメントヒンジ」は、ブレースを装着していることを忘れるほど自然なフィーリングを提供します。 圧倒的な軽さと堅牢性を両立させており、トップライダーからの支持も厚い逸品です。万が一の破損時にも、豊富なスペアパーツで修理しながら長く使える点も大きな魅力と言えるでしょう。
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CTI OTS Pro Sport
医療用装具の分野でも高い実績を持つÖssur社が開発した、信頼性の高いニーブレースです。スタンダードモデルよりもカーボンファイバーの使用量を増やしたプロ仕様で、靭帯損傷などに対して非常に高いレベルのサポート性能を発揮します。 手積層された剛性の高いプリプレグカーボンファイバー製のフレームと、膝の自然な動きに追従する独自の「Accutrac™ヒンジ」が、膝関節を強力に安定させます。 ズレを防ぐシリコンライナーなど、細部にまで医療グレードの技術が投入されています。
Asterisk Ultra Cell 2.0
ニーブレースの老舗ブランドとして名高いASTERISKのハイエンドモデルです。 超軽量でありながら高い衝撃吸収性を持つフレームは、立体的な可動を実現する4ピボットシステムと組み合わせることで、膝への追従性を極限まで高めています。モデルによっては、ダイヤルを回すだけでフィット感をミリ単位で調整できるBoaシステムを搭載しており、常に最適なホールド感を得ることが可能です。 長年の歴史に裏打ちされた、信頼性の高い一品です。
公式サイト
【全17モデル】スペック比較一覧表

今回紹介した10モデルと、その他の注目モデルを含む全17製品のスペックを一覧表にまとめました。素材や特徴を横並びで比較し、あなたのニーブレース選びの参考にしてください。
| ブランド | モデル名 | フレーム素材 | 主な特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|
| POD | K8 2.0 / K8 3.0 | 鍛造カーボン | 人体の動きを再現するヒンジを搭載したハイエンドモデル。スペアパーツが豊富。 | 公式サイト |
| POD | K4 2.0 | グラスファイバー | K8の機能性を継承しつつ、価格を抑えたスタンダードモデル。 | 公式サイト |
| Leatt | X-FRAME HYBRID | インジェクションカーボンコンポジット | 内側が柔軟、外側が剛性の高いハイブリッド構造。金属製ギアのヒンジが特徴。 | 公式サイト |
| Leatt | C-FRAME PRO CARBON | カーボン | 片側のみのシングルヒンジフレームで、自然なニーグリップ感を実現。 | 公式サイト |
| Leatt | Z-FRAME | グラスファイバー強化ナイロン | 基本的な保護性能を備えながら、手頃な価格を実現したエントリーモデル。 | 公式サイト |
| Asterisk | ULTRA CELL 4.1 | – | 4ピボットシステムによる立体的な可動が特徴。Boaフィットシステム採用。 | 公式サイト |
| Asterisk | CARBON CELL 1 (CC1) | カーボンファイバー | ミリタリースペックのカーボンを採用した高強度・高耐久モデル。 | 公式サイト |
| Mobius | X8 | – | 8の字のケーブルで膝全体を均一に締め上げる独自のCCRSシステムを採用。 | 公式サイト |
| Alpinestars | BIONIC-10 CARBON | カーボンコンポジット | ズレを防ぎ動きやすさをサポートするCフレームストラップシステムを搭載。 | 公式サイト |
| Alpinestars | RK-7 プラズマニーブレイス | 繊維強化フレーム | 独自素材「ニュークリオンプラズマ」を採用し、コストパフォーマンスに優れる。 | 公式サイト |
| EVS | AXIS PRO | カーボンファイバー | 特許取得の「Tru-Motion 2.0」ヒンジが膝の自然な動きを模倣する。 | 公式サイト |
| EVS | WEB PRO | カーボンファイバー | 独自のクリックテックバックルシステムにより、確実なフィット感を提供。 | 公式サイト |
| EVS | SX01 | アルミニウム(ヒンジ部) | 航空機グレードのアルミニウムヒンジを採用したエントリーモデル。 | 公式サイト |
| Troy Lee Designs | Catalyst X | 7000シリーズアルミニウム | 独自のTibial Docking Systemにより、脛骨のコントロール性を高める。 | 公式サイト |
| Z-CARBON | ZC-0001 | ドライカーボン | 日本人の体型に合わせて設計された、フィット感の高い軽量・高剛性モデル。 | 公式サイト |
| ACERBIS | GORILLA | ステンレス、プラスチック | ニーブレースとニーシンガードの中間的な位置づけのハイブリッド製品。 | 公式サイト |
| UFO Plast | SYNCRON | – | 人間工学に基づいたデザインで、膝関節の動きに追従。3本のストラップで固定。 | 公式サイト |
購入前後の失敗を防ぐための知識と対策

高価なニーブレース選びで後悔しないためには、購入前の「試着」と購入後の「正しい装着」、そして経験者たちが直面したリアルな問題への対策を知っておくことが極めて重要です。ここでは、あなたの投資を最大限に活かすための知識を解説します。
失敗しないための最重要ポイントは「試着」
ニーブレースの効果は、フィット感によって決まると言っても過言ではありません。サイズが合わないニーブレースは、保護性能が半減するだけでなく、ライディングの妨げにさえなります。可能な限り、オフロード用品専門店などで専門スタッフのアドバイスを受けながら試着することを強く推奨します。
試着時に必ずチェックすべき5つのポイント
- ヒンジの位置: 装着した際、ブレースのヒンジ(関節部分)が、自分の膝の中心(膝のお皿の横)に正確に合っているかを確認します。ここがずれていると、膝を曲げた際に痛みや違和感が生じます。
- 屈伸と歩行: 装着したまま、その場で深く膝を曲げ伸ばししたり、少し歩いてみたりしましょう。不自然な圧迫感やヒンジの引っ掛かりがないかを確認します。
- ブーツとの相性: 普段使用しているオフロードブーツを持参し、必ず一緒に履いてみてください。「ブレースの下端がブーツの上端に当たってしまい、足首が動かしにくい」といった干渉問題は非常に多く発生します。
- パンツとの相性: ブレースの上からライディングパンツが履けるかどうかも重要な確認項目です。モデルによってはフレームが厚く、タイトなパンツだと収まらない場合があります。
- ズレの確認: ストラップを適切に締めた状態で、ブレース全体を上下に動かしてみてください。簡単にずり落ちてしまうものは、サイズが合っていない可能性があります。
購入後のズレを防ぐ!正しい装着方法
せっかくの高機能ニーブレースも、正しく装着しなければ効果を発揮できません。特に走行中の「ズレ」は、多くのライダーが経験する問題です。以下の手順で装着することで、フィット感を最大化し、ズレを最小限に抑えることができます。
- 座った状態で装着: 立った状態ではなく、膝を90度程度に曲げて椅子に座った状態で装着を開始します。
- ヒンジを膝の中心に: まず、ブレースのヒンジが膝の中心に来るように位置を決めます。
- 膝の真下から締める: ストラップを締める順番が最も重要です。まず、膝のお皿のすぐ下にあるストラップ(脛の一番太い部分)を締めて、ブレースの上下位置を固定します。
- ふくらはぎ→太ももの順で: 次にふくらはぎのストラップ、そして最後に太もも側のストラップを締めていきます。基本は「膝に近い位置から遠い位置へ」と覚えると良いでしょう。
- 最終確認: 全てのストラップを締めた後、一度立ち上がって軽く屈伸し、ズレや違和感がないか最終確認します。
経験者が語る「買ってから気づいた」失敗談と対策
製品レビューだけでは分からない、実際に使ってみて初めて気づく問題点と、その対策をご紹介します。
失敗談1:ストラップの裏側が擦れて痛い、水ぶくれができた
対策: ニーブレース専用のアンダースリーブや、長いソックス(ニーブレースソックス)の着用がほぼ必須です。これらは肌との摩擦を防ぎ、汗による不快感を軽減する効果もあります。
失敗談2:ニーグリップでバイクのシュラウド(外装)が傷だらけになった
対策: ブレースの硬いフレーム(特にヒンジ部分)とバイクの接触は避けられません。バイクのシュラウドやフレーム部分に、厚手の保護デカール(グラフィックデカールなど)を貼ることで、傷を防ぐことができます。
失敗談3:汗でパッドが臭くなり、雑菌が繁殖しそう
対策: 走行後はパッドを取り外し、中性洗剤などでこまめに洗浄する習慣をつけましょう。衛生的に保つことが、製品を長持ちさせることにも繋がります。
【要注意】中古ニーブレース購入のリスクとチェック項目
予算を抑えるために中古品を検討するケースもありますが、安全性に関わる装備であるため、細心の注意が必要です。中古品は、目に見えないダメージが蓄積している可能性があり、本来の保護性能を発揮できないリスクがあることを理解しておきましょう。
もし中古品を検討する場合は、最低でも以下の点を確認してください。
フレームの歪み・亀裂: 転倒によるダメージで、フレームに歪みや微細なクラックが入っていないか、あらゆる角度から光に当てて確認します。
ヒンジのガタつき: 膝の動きの要となるヒンジ部分に、ガタつきや緩みがないかを入念にチェックします。スムーズに動かない、あるいはグラグラするものは危険です。
ストラップとベルクロの劣化: ストラップが伸びきっていたり、ベルクロ(マジックテープ)の接着力が著しく低下していたりすると、しっかりと固定できません。
付属品の有無: 角度調整用のストッパーや、フィット感を調整するパッド類など、重要な付属品が揃っているかを確認します。
基本的には、自分の膝を守る最も重要な投資の一つとして、新品を購入することを強くお勧めします。
購入前の最終チェック|試着できる店舗と確認事項

ニーブレース選びで後悔しないために最も重要なのが、購入前の試着です。高価な買い物だからこそ、自分の脚に完璧にフィットするものを選ぶ必要があります。通販サイトのサイズ表だけではわからない、微妙な装着感や動きやすさを確かめることが、失敗を防ぐ唯一の方法と言えるでしょう。
試着ができる店舗
ニーブレースの試着は、品揃えの豊富なオフロードバイク用品専門店で可能です。
Westwood MX
ダートバイクプラス
ナップス
ライコランド
すべての店舗に在庫があるとは限らないため、来店前に電話で目当てのモデルやサイズの在庫状況、試着が可能かを確認することを強くおすすめします。
試着時の服装と持ち物
正確なフィッティングのために、普段ライディングで使っている以下の装備を持参しましょう。
オフロードパンツ
ライディングソックス
オフロードブーツ
【最重要】試着時のチェックリスト
ただ装着するだけでなく、以下のポイントを必ず確認してください。
- 基本のフィット感を入念にチェック
ヒンジの位置: 膝を曲げたとき、ブレースのヒンジ(関節部分)が膝の中心にありますか?
圧迫感: ストラップを締めたとき、どこか一点が強く食い込んだり、痛みを感じたりしませんか?
隙間: 太ももやふくらはぎ周りに、指が何本も入るような大きな隙間がありませんか?
動作確認: 装着したまま歩き回ったり、屈伸したりしても、ブレースが大きく下にズレてきませんか? - ブーツとの干渉を確認
ブレースの下端がブーツの上端に当たって、足首の動きを妨げませんか?
ブーツのバックルがブレースに引っかかり、締めにくいことはありませんか? - パンツとの相性を確認
ブレースを装着した上から、問題なくパンツを履けますか?
膝周りがきつすぎて、動きにくくなっていませんか?
これらの点を総合的に確認し、最も違和感なく、自分の脚と一体化するような感覚のニーブレースを選ぶことが重要です。
中古品購入のリスクと注意点
予算を抑えるために中古品を検討する選択肢もありますが、新品にはないリスクが伴います。もし中古品を選ぶ場合は、以下の点を必ず確認してください。
フレームの歪みやひび割れ(クラック): 転倒の衝撃でフレームが損傷している可能性があります。
ヒンジのガタつき: ヒンジ部分が摩耗し、正常な動きをしない場合があります。
ストラップやパッドの劣化: ベルトが伸びていたり、パッドがへたっていたりすると、適切なフィット感が得られません。
中古品は、前の所有者の体型や転倒歴によって、本来の保護性能を発揮できない可能性があります。価格だけでなく、製品の状態を慎重に見極める必要があります。
性能を100%引き出すための正しい装着方法とコツ

どんなに高性能なニーブレースでも、正しく装着できていなければその効果は半減してしまいます。走行中にズレてしまっては、プロテクション性能が発揮されないだけでなく、ライディングへの集中も妨げられます。ここでは、ニーブレースの性能を100%引き出すための正しい装着方法と、ありがちなトラブルを防ぐためのコツを解説します。
基本的な装着手順(4ステップ)
ストラップを締める順番が、フィット感を大きく左右します。一般的には、膝関節に近いストラップから締め、最後に全体を調整するのが基本です。
- アンダースリーブを履く
肌への直接的な摩擦を防ぎ、汗による不快感を軽減するため、まず専用のアンダースリーブやロングソックスを履きましょう。これにより、肌擦れや水ぶくれといったトラブルを大幅に減らすことができます。 - ヒンジの位置を合わせる
膝を軽く曲げた状態でニーブレースを装着し、ブレースのヒンジ(蝶番)の中心が、膝の皿の中心と合うように位置を調整します。ここがズレていると、膝を曲げ伸ばしする際に違和感や痛みが生じる原因となります。 - ストラップを正しい順番で締める
製品によって推奨される順番は異なりますが、一般的には膝のすぐ上下にあるストラップから締めると、ヒンジが正しい位置で安定しやすくなります。基本的な順番は以下の通りです。(1) 膝下のストラップ(ふくらはぎ上部)
(2) 膝上のストラップ(太もも下部)
(3) ふくらはぎ中央のストラップ
(4) 太もも中央のストラップ締め付けの強さは、指が2本程度入るくらいの余裕を持たせつつ、ブレースが上下に動かない程度が目安です。強く締めすぎると血行を妨げ、パフォーマンスの低下につながるため注意が必要です。 - 最終チェック
全てのストラップを締めた後、その場で軽く歩いたり、膝の曲げ伸ばしをしたりして、ヒンジの位置がズレないか、痛みや強い圧迫感がないかを確認します。問題があれば、ストラップの締め付け具合を微調整してください。
よくある失敗とズレを防ぐコツ
購入後に起こりがちなトラブルと、その対策をご紹介します。
走行中に下にズレてくる
最も多いトラブルが走行中の「ズレ」です。これは、ストラップを締める順番や強さが不適切な場合に起こりやすいです。上記の装着手順を再度確認してみてください。それでも改善しない場合は、ニーブレースのサイズが脚の形に合っていない可能性も考えられます。
肌が擦れて痛い、かぶれる
特に汗をかく夏場に多いトラブルです。必ずアンダースリーブや、吸汗速乾性に優れたインナーを着用しましょう。肌が弱い方は、サポーターなどを併用するのも効果的です。
ニーグリップでバイクのシュラウド(外装)が傷だらけに
カーボンや樹脂製の硬いフレームでニーグリップをすると、バイクの外装部分に傷がついてしまうことがあります。対策として、ブレースのフレーム内側に厚手の保護デカールや、専用のフレームグリップガードを貼るのがおすすめです。バイクとブレース、双方を長持ちさせるための重要な工夫です。
正しい装着方法をマスターし、少しの工夫を加えるだけで、ニーブレースは膝を守るだけでなく、安心してライディングに集中できる最高のパートナーになります。
経験者が語る4つのよくある失敗談と対策

高価なニーブレースを購入したにもかかわらず、「こんなはずじゃなかった…」と後悔する声は少なくありません。ここでは、先輩ライダーたちが実際に経験した代表的な失敗談を4つ紹介し、同じ轍を踏まないための具体的な対策を解説します。
失敗談1:サイズが合わず、走行中にズレてくる
最も多い失敗が、フィット感に関する問題です。「ネットのセールで安かったから」と試着せずに購入した結果、太ももは合うのにふくらはぎが緩く、ライディングの振動でどんどん下にズレてきてしまうケースです。これではプロテクション性能が発揮されないばかりか、常に違和感を抱えたまま走ることになり、ライディングに集中できません。
【対策】
購入前には必ず試着をしましょう。可能であれば、専門知識を持つスタッフがいるオフロード用品店で相談するのがベストです。試着の際は、ただ履くだけでなく、膝を深く曲げ伸ばししたり、少し歩き回ったりして、ヒンジの中心が膝の皿の中心からズレないかを確認してください。また、普段使用しているインナーパンツやライディングソックスを履いた状態でフィット感を見ることも重要なポイントです。
失敗談2:手持ちの装備と干渉してしまった
ニーブレース単体では完璧なフィット感でも、いざライディングパンツを履こうとしたら、ブレースがゴツすぎて膝部分が通らなかった、というのもよくある話です。また、ブーツの上端とブレースの下部がぶつかり、足首の動きが著しく制限されてしまうケースもあります。
【対策】
試着する際には、必ず普段から愛用しているライディングパンツとブーツを持参しましょう。実際に全ての装備を身に着けた状態で動きやすさを確認することで、購入後の「合わなかった」という最悪の事態を防げます。特に、パンツはタイトなものより、膝周りに立体裁断が施されていたり、ストレッチ素材が使われていたりするモデルの方が、ニーブレースとの相性が良い傾向にあります。
失敗談3:ニーグリップでバイクが傷だらけに
硬いカーボンや金属でできたニーブレースのフレームやヒンジ部分は、ニーグリップ時にバイクのシュラウド(外装パーツ)やフレームに直接当たります。何も対策をしないままだと、バイク側に深い傷が入り、見た目が損なわれてしまうことがあります。
【対策】
バイクと接するニーブレースのフレーム内側に、専用の保護デカールやフレームグリップガードを貼り付けるのが最も効果的です。これにより、直接的な接触を防ぎ、バイクと自身の両方を保護できます。また、バイク側に傷防止用のプロテクションフィルムを貼るのも有効な手段と言えるでしょう。
失敗談4:長時間の使用で肌が擦れて痛い
特に夏場の長時間のライディングで発生しがちなのが、ストラップによる肌の擦れや水ぶくれです。汗で蒸れた状態でストラップが肌に直接触れていると、摩擦で簡単に皮膚が傷ついてしまいます。素肌に直接ニーブレースを装着するのは絶対に避けるべきです。
【対策】
ニーブレースを装着する際は、必ず専用設計のアンダースリーブや、膝上まであるロングタイプのライディングソックスを着用してください。これらは肌との摩擦を劇的に軽減するだけでなく、汗を素早く吸収・発散させる効果があるため、不快な蒸れを防ぎ、快適な状態を保ってくれます。正しいインナーウェアの着用は、ニーブレースの性能を最大限に引き出すための必須条件と心得ましょう。
中古ニーブレース購入のリスクと見極め方

新品を購入するのが最も安全ですが、予算の都合で中古品を検討することもあるでしょう。しかし、中古のニーブレースには価格以上のリスクが潜んでいることを理解しておく必要があります。安全に関わる装備だからこそ、もし中古品を選ぶのであれば、以下のポイントを徹底的にチェックしてください。
中古ニーブレースに潜むリスク
中古品には、目に見えないダメージや経年劣化が隠れている可能性があります。
フレームの微細な損傷: 前の所有者の転倒により、フレームに目視では確認しづらい微細なひび割れ(クラック)や歪みが生じている可能性があります。このような損傷があると、本来の保護性能を全く発揮できません。
素材の経年劣化: カーボンやプラスチックなどの素材は、紫外線や使用に伴い少しずつ劣化が進行します。見た目は綺麗でも、素材の強度が低下している恐れがあります。
フィット感の低下: ストラップのゴムが伸びていたり、パッドがへたっていたりすると、膝に正しくフィットせず、走行中にズレやすくなります。 適切に装着できていないニーブレースは、保護性能が低下するだけでなく、ライディングの妨げにもなります。
購入前に確認すべき5つのチェックポイント
もし中古品を検討する場合は、最低でも以下の5点を確認しましょう。
- フレーム全体の傷や歪み: 光に当てながら様々な角度からフレーム全体をチェックし、ひび割れや深い傷、左右の歪みがないかを入念に確認します。特にヒンジの付け根やストラップを通す部分は負荷がかかりやすいため、念入りに見る必要があります。
- ヒンジの動作確認: 実際に手で動かし、ヒンジ部分にガタつきや異音がないか、スムーズに動くかを確認してください。動きが渋かったり、異音がしたりする場合は、内部の部品が損傷している可能性があります。
- ストラップとパッドの状態: ストラップのベルクロがしっかりと留まるか、ゴム部分が伸びきっていないかを確認します。パッド類に破れや過度なへたりがないかも重要です。経年劣化したベルトは本来の機能を発揮できないため注意が必要です。
- 付属品の有無: モデルによっては、膝の可動域を制限するためのストッパーなど、重要な付属品があります。これらが欠品していないか、必ず確認しましょう。
- 使用歴の確認: 可能であれば、出品者に購入時期や使用頻度、大きな転倒歴がなかったかなどを質問しましょう。
これらのチェック項目を一つでもクリアできない場合は、その商品の購入は見送るのが賢明です。安全性を最優先に考え、少しでも不安要素があれば、新品の購入を強く推奨します。
愛用のニーブレースを長く使うためのメンテナンス術

高価なニーブレースの性能を最大限に発揮させ、長く安全に使い続けるためには、日々のメンテナンスが欠かせません。走行後の簡単な手入れを習慣づけることで、製品の寿命を大きく延ばすことができます。
日常的な洗浄と保管方法
オフロード走行後のニーブレースは、泥や汗で汚れています。これらを放置すると、素材の劣化を早めたり、悪臭の原因になったりするだけでなく、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。
【洗浄の手順】
- 水洗い: まずはシャワーなどで全体の泥やホコリを優しく洗い流します。高圧洗浄機の使用は、パーツの隙間に水が入り込み、ヒンジ部分の劣化を招く恐れがあるため避けてください。
- 中性洗剤で洗う: パッドやストラップなど、取り外せるパーツはすべて取り外します。バケツにぬるま湯と中性洗剤を入れ、柔らかいブラシやスポンジでフレームや各パーツを丁寧に洗いましょう。
- すすぎと乾燥: 洗剤が残らないように、流水でしっかりとすすぎます。洗い終わったら、タオルで水分を拭き取り、風通しの良い日陰で完全に乾燥させてください。直射日光は素材の劣化を早めるため、絶対に避けましょう。
【保管のポイント】
保管する際は、湿気の少ない、直射日光が当たらない場所を選びます。ストラップ類は緩めた状態で保管することで、ゴムの伸びを防ぐことができます。また、定期的にヒンジ部分のネジに緩みがないかを確認し、必要であれば増し締めを行うことも重要です。
消耗品の交換で性能を維持する
ニーブレースのストラップやパッドは、使用に伴い少しずつ摩耗・劣化していく消耗品です。特にストラップのベルクロやゴム部分が劣化すると、膝を的確にホールドできなくなり、ニーブレース本来の保護性能が発揮できなくなります。
多くのブランドでは、これらのパーツがスペアとして販売されています。フィット感の低下やズレやすさを感じ始めたら、我慢せずに新しいパーツに交換しましょう。
【主な交換可能パーツ】
ストラップセット
各種パッド
ヒンジパーツ
膝蓋骨カップ(ニーカップ)
これらのスペアパーツは、製品を購入したバイク用品店や、各ブランドの国内代理店のウェブサイトから入手することが可能です。お使いのモデルに対応するパーツを確認し、定期的な交換を心がけましょう。
日常的に行うべきメンテナンスと保管方法

高価なニーブレースの保護性能を最大限に引き出し、長く使い続けるためには、日々の適切なお手入れと保管が欠かせません。汗や泥で汚れたまま放置すると、素材の劣化を早め、本来の性能を発揮できなくなる可能性があります。ここでは、基本的なメンテナンス方法と保管のポイントを紹介します。
ニーブレースの基本的な洗浄方法
走行後は、以下の手順で洗浄し、常に清潔な状態を保ちましょう。
- 泥や砂を落とす: まず、フレームやヒンジ部分に付着した大きな泥や砂を、乾いたブラシなどを使って丁寧に取り除きます。
- パッド類を取り外す: ストラップやインナーパッドなど、取り外せるパーツはすべて本体から外します。
- 優しく手洗いする: 中性洗剤を溶かしたぬるま湯で、パッドやストラップを優しく押し洗いしてください。 フレーム本体も、柔らかい布やスポンジを使って同様に洗浄します。
- 十分にすすぐ: 洗剤が残らないよう、きれいな水で念入りにすすぎます。洗剤成分が残っていると、肌トラブルの原因になる可能性があります。
- 陰干しで完全に乾燥させる: すすぎが終わったら、タオルで優しく水分を拭き取り、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。 直射日光は素材を傷める原因となるため避けてください。
【注意】
洗濯機や乾燥機、ドライヤーの使用は、フレームの変形やパッドの劣化を招く恐れがあるため絶対に避けてください。
正しい保管方法
ニーブレースを保管する際は、直射日光や高温多湿の場所を避け、風通しの良い室内で保管することが重要です。 車内など、高温になりやすい場所での長期間の保管は、素材の劣化を早める原因となるため注意が必要です。
定期的なチェックと消耗品の交換
洗浄や保管と合わせて、定期的にニーブレースの状態をチェックする習慣をつけましょう。
ネジの緩み: ヒンジ部分などのネジに緩みがないか確認し、必要であれば増し締めします。
ストラップの状態: ベルクロの付き具合が悪くなっていないか、ゴム部分が伸びきっていないかを確認します。
パッドのへたり: インナーパッドがへたってくるとフィット感が損なわれ、ズレの原因になります。
ストラップやパッド、ヒンジ内部のパーツ(リガメントなど)は消耗品です。 多くのブランドでは、これらのリペアパーツが用意されており、交換することで初期に近い性能を維持できます。 動きに違和感が出たり、パーツの劣化が見られたりした場合は、正規代理店や購入した販売店に相談し、適切なスペアパーツを取り寄せて交換しましょう。
こうした日々のメンテナンスを欠かさず行うことが、高価なニーブレースの寿命を延ばし、常に最高の保護性能を発揮させるための鍵となります。
交換可能な消耗品・スペアパーツの種類と入手方法

高価なニーブレースを一度購入すれば終わりではありません。安全性能とフィット感を長期にわたって維持するためには、消耗品の定期的な交換が不可欠です。多くのブランドでは、ストラップやパッド類、ヒンジの内部部品などをスペアパーツとして供給しており、これらを交換することで新品に近い状態を保つことができます。
特に交換頻度が高いのは、以下のパーツです。
ストラップ・ベルト類: ニーブレースを脚に固定するためのストラップは、使用に伴い伸縮性が失われたり、ベルクロ(マジックテープ)の接着力が弱まったりします。フィット感の低下や走行中のズレの直接的な原因となるため、定期的な交換が推奨されます。
各種パッド類: 膝や脛に直接触れるパッドは、汗や摩擦によって劣化しやすいパーツです。へたりや破れが生じると快適性が損なわれるだけでなく、フィット感が悪化して保護性能にも影響を及ぼします。
ヒンジパーツ: 膝の動きの要となるヒンジ部分も、内部のベアリングや可動域を制限するストッパーなどがスペアパーツとして用意されていることがあります。転倒による破損時だけでなく、動きが渋くなった際にも交換を検討しましょう。
パテラカップ(ニーカップ): 膝のお皿を保護するカップ部分も、強い衝撃を受ければ破損することがあります。多くのモデルで交換が可能です。
これらのスペアパーツは、製品を購入したバイク用品店や、各ブランドの正規代理店のウェブサイトから注文するのが最も確実な方法です。例えば、PODを取り扱うダートフリークや、Leatt、Asteriskなどを扱うウエストウッドといった国内代理店のサイトでは、モデルごとに細かなパーツがラインナップされています。
愛用のニーブレースのフィット感に違和感を覚えたり、見た目に劣化が見られたりした場合は、一度スペアパーツの供給状況を確認してみてください。適切なメンテナンスとパーツ交換を行うことで、高価なニーブレースの性能を最大限に引き出し、結果的に長く使い続けることができるため、コストパフォーマンスも向上します。
まとめ|最適なニーブレースでライディングの質を高めよう

本記事では、オフロードバイク用ニーブレースの必要性から、後悔しないための選び方、レベル別のおすすめモデル、そして購入後のメンテナンスに至るまでを網羅的に解説しました。
ニーブレースは、膝の過伸展や捻りといった深刻な怪我からライダーを守るための、ニーシンガードとは一線を画す専門的な装備です。適切なニーブレースを装着することは、そのリスクを軽減し、精神的な安心感をもたらすことで、よりライディングに集中できる環境を整えてくれます。
数ある製品の中から最適な一品を選ぶ上で最も重要なのは、何よりも「フィット感」です。本記事で解説した正しい採寸方法を実践し、可能であれば必ず試着を行いましょう。その上で、カーボンやグラスファイバーといった素材の違い、各ブランドの設計思想、そして自身の予算やライディングレベルを総合的に考慮することで、後悔のない選択が可能になります。
あなたに最適なニーブレースは、単なるプロテクターではなく、ライディングの質を次のレベルへと引き上げてくれる最高のパートナーとなるはずです。この記事を参考に、万全の準備を整え、これからも安全で充実したオフロードバイクライフを心ゆくまで楽しんでください。
オフロードバイク用ニーブレースに関するよくある質問

. なぜニーブレースはこんなに高価なのですか?
A. 膝関節という複雑な部位を、靭帯レベルで保護するための高度な設計と、フレームに使用されるカーボンファイバーなどの高機能素材が高価であるためです。
単なる打撃吸収だけでなく、関節の異常な動きを抑制する精密なヒンジ機構などが搭載されており、開発・製造にコストがかかることが主な理由です。詳しくは「後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方7選」で解説している素材や構造の違いをご覧ください。
Q. ニーシンガード(ニープロテクター)との違いは何ですか?
A. 最大の違いは「関節の保護性能」にあります。
ニーシンガードが転倒時の打撃や擦り傷から膝とスネを守るのが主な役割であるのに対し、ニーブレースは強固なフレームとヒンジによって、膝が本来曲がってはいけない方向へ動くこと(過伸展や過度な捻じれ)を防ぎ、靭帯損傷のリスクを大幅に軽減する目的で設計されています。 詳しくは「なぜ必要?オフロードバイク用ニーブレースの役割と効果」をご覧ください。
Q. サイズ選びで失敗しないためにはどうすれば良いですか?
A. 最も重要なのは、各メーカーが指定する方法で太もも周りなどを正確に採寸することです。その上で、可能であれば必ず試着し、フィット感やブーツとの相性を確認することをおすすめします。
正しい採寸方法や試着のポイントについては、「後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方7選」で詳しく解説しています。
Q. 手入れの方法や洗い方を教えてください。
A. 基本的には、パッドやライナーを取り外し、中性洗剤を使ってぬるま湯で手洗いします。 フレーム本体は水拭きし、洗浄後は直射日光を避け、風通しの良い場所で完全に乾燥させることが長持ちの秘訣です。
より詳細な手順や保管方法については、「愛用のニーブレースを長く使うためのメンテナンス術」のセクションにまとめています。
Q. 医療保険は適用されますか?
A. 過去の怪我の治療や再発防止が目的の場合、医師の診断書があれば「医療用装具」として扱われ、健康保険が適用されるケースがあります。
詳しくは、「後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方7選」の項目で解説していますので、該当する方はそちらをご確認ください。
Q. 装着すると動きにくくなりませんか?
A. 正しいサイズを適切な方法で装着すれば、ライディングに必要な膝の動きを大きく妨げることはありません。近年のモデルは人体の自然な動きを再現する高性能なヒンジを備えていますが、装着当初は多少の違和感があるため、慣れは必要です。
Q. アンダースリーブやインナーソックスは必要ですか?

結論から言うと、法律で定められているわけではありませんが、着用を強くおすすめします。アンダースリーブやインナーソックスは、ニーブレースの性能を最大限に引き出し、より快適なライディングを実現するための重要なアイテムです。
主なメリットは以下の通りです。
肌トラブルの防止: ニーブレースのフレームやストラップが直接肌に擦れるのを防ぎ、不快な摩擦や水ぶくれから肌を守ります。特に長時間のライディングでは、汗による蒸れと相まって肌への負担が大きくなるため、その効果は絶大です。
フィット感の向上とズレの抑制: 汗による滑りを抑え、ニーブレースが正しい位置に留まるのを助けます。 特に、太ももまで長さのあるインナーソックス(ニーブレースソックス)は、上下からニーブレースを挟み込むように固定できるため、走行中のズレ下がりを効果的に防ぐことができます。
快適性の維持: 汗を素早く吸収・発散させる素材が使われているものが多く、ニーブレース内部のベタつきや不快感を軽減します。
スムーズな着脱: 肌とニーブレースの滑りを良くし、装着を容易にする効果もあります。
アンダースリーブには膝上までのタイプと、足首まで覆うソックス一体型のタイプがあります。 ズレ防止効果をより重視するならソックス一体型、手軽さを重視するなら膝上タイプが良いでしょう。高価なニーブレースを快適に、そして効果的に使用するために、ぜひ併用を検討してください。
Q. なぜ高価なのですか?安い製品との違いは何ですか?

高価なニーブレースと安価な製品との主な違いは、ライダーの膝を深刻な怪我から守るための「素材」「設計」「開発コスト」にあります。これらが価格に反映されています。
素材の違い:
安価なニーガードが主にプラスチックであるのに対し、高価なニーブレースはフレームの素材に軽量かつ非常に高い強度を持つカーボンファイバーやグラスファイバーなどを採用しています。これにより、転倒時の大きな衝撃や捻れに耐え、靭帯の損傷を防ぎます。
設計とヒンジ性能の違い:
高価なモデルほど、人間の膝関節の複雑な動きを自然に再現する高性能なヒンジ(蝶番)機構を備えています。これにより、ライディング中のスムーズな動きを確保しつつ、膝が逆方向に曲がってしまう「過伸展」などの危険な動きだけを確実に制限します。
開発コストの違い:
各メーカーは、プロライダーによる長時間のテストや、医療的・人間工学的な観点からの研究開発に多大なコストをかけています。ライダーの安全を確実に守るという目的のために、こうした目に見えないコストが製品価格に含まれています。
結論として、価格の差は「万が一の際に、関節をどれだけ確実に保護できるか」という性能の差に直結すると言えるでしょう。価格帯ごとのより詳しい性能差については、「後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方7選」のセクションで詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
Q. 装着すると動きにくくなりませんか?

いいえ、最新のニーブレースは動きやすさが十分に考慮されているため、自分の膝に合ったモデルを正しく装着すれば、ライディングの妨げになることはほとんどありません。
多くのモデルでは、人体の膝関節の自然な動きを再現する「ヒンジ(蝶番)」が採用されています。 例えば、PODの「ヒューマンモーショントリガメントヒンジ」や、EVSの「Tru-Motion 2.0」ヒンジなどは、スムーズな膝の曲げ伸ばしをサポートするように設計されています。
また、ニーグリップのしやすさを考慮し、あえて内側のフレームをなくしたLeattのC-FRAMEのようなユニークな構造を持つモデルも存在します。 カーボンなどの軽量な素材で作られた製品も多く、重さによる負担を感じることも少なくなっています。
ただし、サイズが合っていなかったり、正しく装着できていなかったりすると、ズレや違和感が生じて動きにくさの原因となります。動きやすさを最大限に引き出すには、自分の脚にしっかりとフィットするモデルを選ぶことが最も重要です。
最初は少し装着感に慣れが必要かもしれませんが、それ以上に、膝が守られているという安心感から、よりアグレッシブなライディングが可能になるというメリットの方が大きいでしょう。
Q. 手入れの方法や洗い方を教えてください

走行後の汗や泥が付着したまま放置すると、パッドの劣化や悪臭、金属部品の錆びといったトラブルの原因になります。高価なニーブレースを長く快適に使うため、基本的なメンテナンスを習慣づけましょう。
まず、パッドやストラップなど、取り外せる内装部品はすべて外します。外した内装は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で優しく手洗いしてください。 フレーム本体やヒンジ部分は、水で湿らせた布で拭くか、柔らかいブラシを使って泥汚れを丁寧に落とします。
洗浄後は、乾いたタオルで全体の水分をしっかりと拭き取ってください。その後、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。直射日光や乾燥機の使用は、素材の劣化や変形を招く可能性があるため絶対に避けてください。
より詳しいメンテナンス方法や、定期的に交換が必要な消耗品(リガメントやストラップなど)については、「愛用のニーブレースを長く使うためのメンテナンス術」のセクションで詳しく解説しています。
Q. 怪我の治療目的で健康保険は適用されますか?

怪我の治療や再発防止が目的で、医師が治療上必要であると判断した場合には、ニーブレースが「治療用装具」と認められ、健康保険が適用される可能性があります。
ただし、これは医師の診断に基づき、義肢装具士などが関わって製作・選択される医療用の装具が対象です。 スポーツ用品店などでご自身の判断でライディング用に購入したニーブレースは、原則としてスポーツ目的と見なされ、保険適用の対象外となるため注意が必要です。
過去の怪我などでお悩みの方は、まずは整形外科などの専門医に相談することをおすすめします。詳しくは「後悔しないオフロードバイク用ニーブレースの選び方7選」のセクションでも解説しています。
Q. 製品の寿命はどのくらいですか?

ニーブレースには「何年使ったら寿命」という明確な定義はありません。製品の寿命は、使用頻度、ライディングの激しさ、保管状況、そしてメンテナンスの有無によって大きく左右されます。
ただし、安全性を確保するための交換時期の目安は存在します。最も重要なのはフレームとヒンジ部分の状態です。大きな転倒によってフレームに亀裂や歪みが生じた場合や、膝の動きを支えるヒンジ部分にガタつきが発生した場合は、保護性能が著しく低下しているサインであり、直ちに交換を検討すべきです。
一方で、ストラップやインナーパッドといったパーツは消耗品です。ベルクロの接着力が弱くなったり、パッドがへたってフィット感が失われたりした場合は、各ブランドからスペアパーツとして販売されているため、これらを交換することでニーブレース本体を長く使い続けることが可能です。日頃から洗浄や点検といったメンテナンスを欠かさず行い、各パーツの状態を常にチェックすることが、製品の寿命を延ばす上で最も重要と言えるでしょう。